独VW、ウォルフスブルグ本社工場での車両生産を再開

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独フォルクスワーゲンは、4月27日の午前6時30分から開始するシフトより、ウォルフスブルグ本社工場での車両生産を再開することを公表した。再開当初は、稼働率を縮小し、生産サイクルを長くしながら、1シフト体制で「Golf」の生産が再開され、約8,000人の従業員が生産現場に復帰。水曜日には、フォルクスワーゲン「Tiguan(ティグアン)」、「Touran(トゥーラン)」、セアト「Tarraco(タラコ)」の生産も開始する。また、マルチシフトによる生産は翌週に再開される予定としており、今回の生産再開に合わせて、その多くがドイツに拠点を置く約2,600社のサプライヤーも、フォルクスワーゲン本社工場向けの生産を再開している。

 

フォルクワーゲンは、今週末までにはウォルフスブルグ工場で約1,400台の車両を生産し、翌週にはマルチシフトによる生産が再開されるため、生産台数は6,000台以上に増加する予定で、コロナウイルスのパンデミックが発生する前の生産量の約40%に相当し、現在では、販売店の約70%が既に営業を再開していると述べている。ウォルフスブルグ工場は、3月中旬に生産が停止されてから、ツヴィッカウに次いで生産を再開したドイツにおける2番目の工場となり、スロバキアのブラチスラバでの生産は、先週の月曜日に既に再開されており、各工場における生産の再稼働及び増加は、コロナウイルス パンデミックによるパーツの供給状況、ドイツおよびヨーロッパにおける各政府の要件、そして市場における販売の回復状況を考慮しながら行う。

 

フォルクスワーゲンは、今回の生産再開において、従業員の健康保護の対策を強化するために、“100項目プラン”を策定したと説明している。従業員は、毎朝自宅で体温を測定、健康チェックリストを確認してから、なるべく作業着を既に着た状態で出勤することを求められるほか、人と人との接触を避けるため、工場の連絡通路に迂回路が設置され、歩行中や会議中の距離を保つための印となる数多くのマーカーを床に設置。1.5メートル以上の距離を保つことが不可能な場所では、口と鼻の保護具を着用し、多くの場所にアクリル製の可動式パーティションを採用するほか、素材などの受け渡しは、可能な限り従業員間で直接行わずに、コンテナに入れた状態で行う。生産チームが使用するツールの清掃を念入りに実施するほか、洗面所やロッカールームの清掃頻度を高め、工場全体の数百か所に追加の手洗い所を設置。会議室をオフィススペースに改装し、オフィスではフレックスタイム制が拡大され、可能な場合は在宅勤務も引き続き行うと述べている。

 

さらに、対策の情報を最大限に周知するため、ウォルフスブルグの工場だけで8,000枚以上のポスターを貼るほか、すべての従業員に、予防策に関する詳細な情報が記載された冊子を配布。フォルクスワーゲンは、この“100項目プラン”を、世界中の4万社を超えるサプライヤーおよび物流パートナーと共有していると述べた。

 

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