三菱自 視覚障がい者のアクセシビリティと生活の質向上を目的とした統合技術ソリューションを開発し、実証実験を実施

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三菱自動車、アルプスアルパイン株式会社、オムロン株式会社、清水建設株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社の5 社は、「一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアム(以下、コンソーシアム)」を設立したと発表した。上記コンソーシアムは、視覚障がい者の実社会におけるアクセシビリティと生活の質向上を目的として、AIを活用した移動やコミュニケーション支援のための統合技術ソリューション「AI スーツケース」の開発と、社会実装に向けた実証実験とデモンストレーションを実施する。コンソーシアムの活動を通じて、障がいのある人もない人も共に生きる「共生社会」の実現を目指すと述べている。

 

近年、日本眼科学会の調査によると、日本には推定164 万人の視覚障がい者がいるとされ、視覚障がい者は増加している。 視覚障がい者にとって街を自由に移動できないことが社会参加の大きなハードルとなっており、そうした課題を解決するため、上記コンソーシアムでは視覚から得られる情報を最新の AI とロボットの技術を組み合わせて補うことで、視覚障がい者が自立して街を移動することを助ける統合ソリューション「AIスーツケース」の開発に取り組んでいく。

 

「AIスーツケース」は、視覚障がい者が日常生活において無理なく携行できることに着目したウェアラブルデバイスとスーツケース型ナビゲーション・ロボット。上記コンソーシアムでは、業種を超えた複数の企業が技術や知見を持ち寄り、「AI スーツケース」を開発するとともに、実証実験を通して社会実装に必要な要件を特定し、視覚障がい者の移動とコミュニケーションの課題を解決するソリューションの実現を目指す。

 

「一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアム」設立のきっかけとなったのは、IBM フェロー浅川智恵子氏の米国カーネギーメロン大学(以下、CMU)における視覚障がい者のためのスーツケース型誘導ロボットCaBotの研究で、上記コンソーシアムではCMUをはじめとした各大学や関連する視覚障がい者支援団体と協力をして新しいアクセシビリティ技術の開発を進めていく。

 

 

【「一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアム」概略】

◆名称:一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアム/英文名:Consortium for Advanced Assistive Mobility Platform/略称:CAAMP

◆所在地:東京都中央区

◆設立日:2019年12月20日

◆目的:視覚障がい者の実社会におけるアクセシビリティとQOL向上に資する、AI を活用した自立移動支援のための統合ソリューション「AIスーツケース」の開発および、社会実装に向けた実証実験の実施

◆主な活動内容:

  1. 視覚障がい者が日常生活において無理なく携行できる小型のナビゲーション・ロボットの開発
  2. 必要となるハードウェア(駆動系機構、バッテリー、カメラと画像認識センサー、触覚センサー、パッケージング、等)および、ソフトウェア(AI、位置情報処理、システム制御、等)の要素技術の統合(システム・インテグレーション)
  3. AI スーツケースのプロトタイプを用いた実証実験

◆活動期間:2019年12月1日~2022年11月30日(予定)

◆参加企業と役割:5 社(2020年2月現在、50音順)

  • アルプスアルパイン:触覚インターフェースに関する知見に基づくアドバイス・技術の提供
  • オムロン(理事):画像認識、および各種センサーに関する知見に基づくアドバイス・技術の提供
  • 清水建設(理事):建築計画、屋内外ナビゲーション、ロボティクス技術に関する知見に基づくアドバイス・ 技術の提供および、当法人の運営に必要な事務局・経理機能支援
  • 日本 IBM (代表理事):AI、アクセシビリティ、屋内外ナビゲーション、コンピューター・ビジョン、クラウド・コンピューティングに関する知見に基づくアドバイス・技術の提供および、当法人の運営に必要な事務局業務
  • 三菱自動車:自動車開発やモビリティ全般に関する知見に基づくアドバイス・技術の提供

 

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