「有山勝利 の視軸」2019年の交通事故死者数は過去最少に

コラム・特集

昨年は痛ましく、目を覆いたいどころか、耳まで塞ぎたいほどの交通事故での死傷が強く記憶に残っている。

そうした2019年の全国の交通事故死者数が警察庁から発表された。死亡者数は3215人(前年比317人減)人で、これは統計の残る1948年以降で最少となった。過去最多は1970年の1万6745人であり、双方の数字を比較すると5分の1以下まで減少している。

都道府県別では、16年連続で全国最悪だった愛知県が前年に比33人減り、156人となり最下位を脱出。代わって千葉県が172人(前年比14人減)でトップになった。

3位以下は北海道152人、兵庫県138人、東京都133人となった。人口10万人当たりの死者数で最多は徳島県の5・57人で、鳥取県5・54人、香川県4・89人がこれに続いた。

事故件数は全国で38万1002件、負傷者数は46万715人で、ともに前年から減少、死者が3人以上の事故は4件で、前年比6件減であった。

交通事故死者数3215人のうち、65歳以上は1782人で前年に比べ184人減ったが、全体比では55・4%と過去2番目に高い水準だった。依然として、高齢者の事故対策は大きな課題となっている。

昨年11月までの死亡事故の状況を分析すると、歩行中が1024人(同54人減)で最も多く、自動車乗車中9067人(同107人減)などが続いた。

飲酒運転での死亡事故件数は161人(同17人減)だった。

昨年の大きな変化は、交通犯罪ともいえる悪質な違反に対し、より重責を課し、罰則も重くなってきたことであり、並行して側路の時速20㎞制限や自転車の走り方、邪魔にならない停め方についてもさらに交通法規の順守(再認識)を望みたい。

また、自動運転車も現実的になってきたことから、眼を離すことはできない。
高齢者の運転免許証の更新断念も進んでいるようだ。交通手段の喪失は別問題として考えるべきものである。

有山勝利プロフィール

1937年生まれ。1960年に総合輸入車ディーラーに入社、そのまま定年まで殆ど広報作業に従事、依頼により1966年より、ブリヂストン・タイヤニュース、週刊大衆に連載執筆、筆名に有川 浩を使用、月刊自家用車、報知新聞、日刊スポーツ、スポーツニッポン、ディリースポーツ、マイカー情報(札幌)、くるまにあ にも連載、単発は無数。媒体側と広報担当の双方と交友、互助の功を上げた。

Tagged