2020年新春賀詞交歓会 神子柴自工会副会長「自動車産業がワンチームで取り組む一年に」

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1月7日、日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、日本自動車車体工業会、日本自動車機械器具工業会の自動車4団体による新春賀詞交歓会が都内で開かれ、多くの業界や政官界関係者が新年を祝った。

挨拶する自工会・神子柴副会長

主催者を代表して挨拶に立った自工会の神子柴寿昭副会長(本田技研工業会長)は、冒頭、昨年の東京モーターショーを振り返り「日本の基幹産業として我々のモノづくりの力を何としても守り続けたい、そのためにももっと多くのお客様に車やバイクに乗っていただきたい、という想いを実現すべく取り組んだ」と語り、「業界の垣根を超え、オールジャパン、オールインダストリーで取り組んだ結果、おかげさまで130万人を超えるお客様にご来場いただくことが出来た。とりわけ若年層や女性の来場が著しく増えたことは、大変心強いことであり、ぜひ次回につなげるべく、しっかりと準備を進めて参りたい」と評価した。

一方で、自然災害が多かったことで、電動車の非常用電源としての給電機能の活用が注目されたが、「同時にその使い方をわかりやすく伝え、いざという時に迷わず使うための普及啓発の必要性を強く実感した」と語った。また同時に、高齢者による踏み間違い事故が多発したが、年末に高齢者の安全運転サポート車購入後を補助するサポカー補助金が閣議決定されたことを評価し「今回の制度をドライバー一人ひとりの安全運転に対する意識改革につなげる機会と捉え、一時の販売補助として活用するに留まらず、さらなる安全運転支援技術の開発、普及に取り組みたい」と意気込みをみせた。

さらに20年に向けては、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることで「日本の技術力を世界にアピールする大きなチャンス」とし、自動運転の実証実験の公開への期待を強調。自動運転技術は交通事故ゼロを目指すうえでの一つの手段と語り、「昨年、関係省庁のご尽力により、自動運転車の実用化に向けた法改正が行われ、自動車メーカーがより一層開発を加速できる環境が整った。交通事故ゼロ社会の実現は自動車産業共通の願いであり、目標。どこが先に技術を出すかと早さを競うのではなく、究極の安全・安心を目指し、業界全体として思いを一つにして社会のお役に立てるよう取り組んでいくことが重要だ」と述べた。

その上で神子柴副会長は「今年のオリパラを飛躍のマイルストーンとして位置付けたい。車が社会の一部として一人一人の暮らしをより豊かにしていく、より安全安心で環境にもやさしく、なおかつ楽しさも忘れない、そんなモビリティ社会の実現に向けて、自動車産業がワンチームで取り組みを加速する一年にしたい」と期待を語った。