日本有数の豪雪地帯でスバルのAWDとシャシー性能の高さを体感 インプレッサ・XV公道雪上試乗

試乗レポート

※本稿は2018年2月に週刊Car&レジャーに掲載されたものです

昨年4月に富士重工業からに社名を変更した「SUBARU(スバル)」。これを機に、よりスバルというメーカーを知ってもらうことを目的に、報道関係者向けに技術紹介等を行う「スバルテックツアー」が1月に開催された。

これまで、スバルの歴史、工場見学、衝突試験見学などのテーマを設け7回開催されてきたスバルテックツアー。8回目となる今回は、同社のコア技術である「シンメトリカルAWD」と、新世代プラットフォーム「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」を採用したインプレッサ、XVの雪上公道試乗をメインに、岩手・安比高原スキー場で行われた「ゲレンデタクシー」の同乗試乗等が行われた。

■刻々と変化する路面状況で見せる安定した走り

通常はテストコース等で行うことが多い雪上試乗だが、今回のテックツアーは公道での試乗がメイン。同社の岡田貴浩広報部長は「クローズドの環境のほうが当然安全だが、スバルが標榜する〝安心と愉しさ〟はリアルワールド環境で得られることにこだわり開発している。今回は過酷な走行環境で、より深くスバルワールドを堪能してもらうべく公道にした」と説明。試乗は安比高原をスタートし、十和田湖や奥入瀬渓流、日本有数の豪雪地帯である八甲田山周辺と酸ヶ湯を経由しながら新青森駅を目指すルートが設定され、市街地の舗装路から高速道路、山間部の圧雪路やアイスバーンといった様々な状況で、走りを確認できるものとなっていた。

試乗車は全車ブリヂストンのスタッドレスタイヤ「VRX2」を装着。もともとスバルのシンメトリカルAWDは雪道での走破性に定評があるが、これにアイスバーンから圧雪路に濡れた舗装路までしっかりとグリップするタイヤという組み合わせがもたらす安心感は高い。VRXでの特にアイスバーンでのグリップの高さは驚かされるレベル。発信時はもちろんブレーキを踏んだ際もほとんど滑ることがなく、不慣れな雪道の運転でも緊張を強いられることなく運転が楽しめた。

とはいえ、調子に乗って速度を上げ過ぎるとやはり限界があることも実感。安定感のある走りに、ついついいつもの速度で交差点を曲がろうとして姿勢を崩してしまうこともあった。AWD+最新のスタッドレスの組み合わせでも、やはり注意が必要だ。

また、試乗の中で最も驚かされたのは高速道路走行時における静粛性の高さだ。従来から静粛性を31%低減させたというVRX2は、スタッドレスタイヤにありがちなパターンノイズが抑えられ、そのノイズはノーマルタイヤと遜色ないといって差し支えないレベルに仕上げられていた。長距離移動の多いユーザーの場合は、この点でVRX2を選択するのもアリだろう。

 

■最大斜度17度のゲレンデを疾走するゲレンデタクシー

スキー場でスバルのSUVをリフト代わりに無料タクシーとして利用できるイベントとして、2013~14年シーズンにスタートしたゲレンデタクシー。今シーズンはすでに安比に加え、サッポロテイネスキー場(北海道)、栂池高原スキー場(長野)で開催されている。このゲレンデタクシーはSNSにゲレンデタクシーの模様を公開することを条件に無料で体験でき、既に2000名を超える参加者を記録している。

安比のゲレンデタクシーは、約800mのコースに最大斜度17度の斜面を疾走する〝ジェットコースター〟のようなアトラクション感覚で楽しめるのが大きな特徴。凄まじい勢いで走るゲレンデタクシーで終点までリフトより速く行けるので、スキーやスノーボードを楽しみにきた人にも人気で、中にはゲレンデタクシーだけを楽しみに訪れている人もいるという。

また、2月17日・18日には苗場スキー場(新潟)で、ゲレンデタクシーの5周年を記念する「SUBARU SNOW FES IN NAEBA」を初開催する。同イベントでは、通常のゲレンデタクシーのほか、スバルの雪上走行性能を自分の運転で体感できる雪上コース試乗や全日本ラリー選手権などで活躍するプロドライバーが運転するWRX STIの同乗試乗、夜のゲレンデで繰り広げられる打ち上げ花火とWRX STIのコラボレーションパフォーマンス等、会場全体でスバルを愉しめるイベントとなりそうだ。

写真提供:SUBARU

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