三菱自・ゲヒルン・スカパーJSAT、防災情報配信サービスの継続と近隣自治体への支援を目的とした災害対策車を共同製作

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三菱自動車、ゲヒルン、スカパーJSATは、災害による長期停電や通信網の途絶に備え、防災情報配信サービスの継続と近隣自治体への支援を目的とした災害対策車「特務機関NERV《ネルフ》制式 電源供給・衛星通信車両 5LA -GG3W(改)」を共同製作したと発表した。

 

過去に起きた長時間における停電の教訓をもとに、ゲヒルンでは、長期化する停電へのBCP(事業継続計画)に取り組んでおり、災害時においても電力と通信を独自に確保し、防災情報配信サービスを継続するため、大容量のバッテリーを持つ自動車に衛星通信設備を搭載した災害対策車両を製作したと述べた。また、特務機関NERVの防災情報配信サービスの継続に影響がない場合には、被災地へ出動して災害対策本部や避難所の支援を行うとしている。

 

今回製作された災害対策車は、三菱自動車の「アウトランダーPHEV」をベースに、カイメタ社の平面アンテナ端末を搭載し、スカパーJSATの通信衛星を経由してインターネットに接続が可能となっているほか、内閣府宇宙開発戦略推進事務局準天頂衛星システム戦略室(以下、内閣府準天頂衛星システム戦略室)から準天頂衛星「みちびき」を利用した衛星安否確認サービス「Q-ANPI 」の端末の貸与を受けて本車両に搭載することで、みちびきを利用した災害用通信も確保している。

 

スカパーJSATの衛星通信サービスは、衛星通信の強みである「耐災害性」「広域性」「柔軟性」の3 要素を備えたインターネット接続サービスを提供する。米国カイメタ社が製造する平面アンテナ端末は、衛星を自動捕捉・自動追尾し、誰でも簡単に双方向衛星通信を利用できる。衛星通信サービスと平面アンテナ端末により、衛星通信の耐災害性に加え、移動時の通信という機動性も確保できることから、BCP や人命救助活動等の特殊車両での利用が期待されている。

 

また、内閣府準天頂衛星システム戦略室が今回貸与する衛星安否確認サービス「Q-ANPI 」は、避難所の情報をみちびき経由で管制局に送信し、収集する手段としての利用が可能となっており、みちびきのうち、静止軌道に配置している衛星を利用して通信する。災害時においては、衛星経由で避難所の位置や開設の情報および避難者数や避難所の状況を通知することで、被災状況の把握等、救難活動に不可欠な情報を伝える。

 

【自助・共助・公助が一体となった災害対策車両の開発計画の3つの目的】

① 特務機関NERVの防災情報配信サービスを単独・自力で継続

ゲヒルンでは特務機関NERV防災アプリ等を通じて防災情報を配信しているが、情報の発信側が機能を停止してしまうリスクを限りなく少なくする必要があり、停電や通信障害によって特務機関NERVのオペレーション拠点が情報配信機能を喪失した場合に、今回の災害対策車両を使用して電力と通信を独自に確保し、防災情報配信サービスを継続する。

 

② 近隣自治体の災害対策本部・避難所等への支援

特務機関NERVの防災情報配信オペレーションに支障がない場合には、被災地へ出動して災害対策本部や避難所等に、給電・充電サービス、電話サービス、Wi-Fi インターネット接続サービス、インターネットおよびみちびきの災害・危機管理通報サービスを利用した防災情報を提供する。災害危機通報サービスとは、気象庁防災気象情報等の防災関連情報を「みちびき」から送信するサービス。

③ 防災訓練への参加、自治体や企業の災害対策モデルケースの提示

災害派遣医療チーム(DMAT)による訓練や全国各地の防災イベント等への参加を通じて、プラグインハイブリッド自動車、衛星通信サービス、平面アンテナ端末、みちびきの有用性を紹介し、今回共同製作された災害対策車をモデルケースに自治体や企業が独自に電力や通信を確保する重要性を提示して、災害対策をさらに強化できるよう協力する。

 

【「特務機関NERV 災害対策車両」概要】

  • 名称:特務機関NERV 制式 電源供給・衛星通信車両 5LA-GG3W(改)
  • 機体・搭載機器:三菱自動車工業「『アウトランダーPHEV」/平面型衛星アンテナ KYMETA u7/衛星安否確認サービス「Q-ANPI」端末/自動体外式除細動器(AED)成人・小児両対応
  • 通信サービス: スカパーJSAT 衛星通信サービス/準天頂衛星システム「みちびき」衛星安否確認サービスによる通信
  • 運用開始予定日:初号機:2020 年 2 月 1 日東京エリア/弐号機:2020 年 2 月 1 日札幌エリア
  • 運用管理者:ゲヒルン株式会社技術開発部危機管理局(届出電気通信事業者 A-23-12058/予報業務許可事業者(地震動) 許可第 214 号/気象庁予報部協力事業者/L アラート 一般情報伝達者)
  • 提供サービス:災害対策本部や避難所等に上記車両を派遣した場合、車両の給電機能・衛星回線を通じて、以下のサービスを提供
  1. 電源供給・充電サービス「アウトランダーPHEV」 の持つ給電機能により、照明電源の提供、パソコンや携帯機器の充電、炊飯器、電子レンジ、電気ポットといった調理器具への電源を供給する。
  2. Wi-Fi によるインターネット接続サービス(初号機のみ)スカパーJSAT の衛星インターネット回線を経由してWi-Fi サービスを提供することで、スマートフォン使用者にインターネットアクセスを提供する。メールやメッセージアプリ、防災アプリの通信が可能になる。
  3. みちびきの衛星安否確認サービスによる安否・避難所情報の通信サービススカパーJSATのインターネット回線とは別に、みちびきを利用した通信により避難所の状況を防災機関等に伝達できる。主に避難所の避難者および運営者に向けたサービス。

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