ダイハツ、「音声による点検結果入力システム」の法定12ヶ月点検での運用を開始

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ダイハツは、定期的なクルマの点検・整備時に整備士の音声を認識し、点検結果が自動入力されるシステムを開発し、2018年2月から「1人作業に特化した6ヶ月点検」時の運用を全国のダイハツ販売会社で開始した。今回はこのシステムの改良・進化にあたり、サービス現場で最も要望の高かった「共同作業」に応え、「法定12ヶ月点検」での対応を可能として、全国での運用を開始した。

 

自動車整備業界では整備士の人材不足が喫緊の課題となっている中、このシステムは、点検・整備の時間短縮や精度向上により、限られた人員でスピーディかつ効率的な点検・整備を行うとともに、サービス品質を向上させることを狙いに開発した。これまで整備士は、必要な点検・整備を行うに当たり、都度所定の記録簿に結果を手書きで記入、さらにユーザーに結果を報告する書類の作成などにも時間がかかっていたが、このシステムでは、整備士はウェアラブルマイクを装着し、専用のタブレット端末を用いて点検・整備を実施する。予め設定した順番で点検項目が読み上げられ、整備士はそれに従い点検を実施し、「良好」「交換の必要あり」など点検結果を発話すると、内容が自動的に記録される。

 

また、ボルトの締め付け時など、デジタルトルクレンチを用いた作業の場合は、その数値も自動記載されるため、トレサビリティの向上にもつながるほか、ユーザーに報告する点検結果シートもワンタッチで作成、印刷することが可能となり、次回の点検時期も記載することで、継続的な来店を促すことができる仕組みとなっている。

 

今回のシステム進化により、法定12ヶ月点検への対応を可能としたほか、タイヤローテーション後の測定値の自動反映など、IT活用による作業の効率化を進め、整備業務に係る人員への負担低減に加え、サービス品質の向上などが実現した。ダイハツでは、今後も同システムの改善などにより、サービス作業の効率化と品質向上を実現し、スピーディで安心感のある点検整備を通して、より満足してもらえるアフターサービスの確立を目指すと述べている。

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