【東京モーターショー2019】先進技術を披露するサプライヤーブースも必見!

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■サプライヤーのブースも熱い!「非接触充電ができるタイヤ?」

レクサス「LF-30 Electrified」のインホイールモーターでも話題となっていますが、近年はEV車が走行中に道路上の設置された給電装置から電気を受取るタイヤの開発も進んでいるようです。EVの航続可能距離を伸ばすためには電池(バッテリー)の製造に必要な希少金属を大量に消費しますが、大容量バッテリーに頼らなくても済むように道路などに給電装置を設け、走行中や信号での停車中にタイヤ・ホイール側に非接触型の受電装置を設ければ走行中に充電を行うことができ、車体側に大容量のバッテリーが不要になるとも考えられます。夢の装置のようですが、研究は確実に進んでいるようで、ブリヂストンブースで実物を見ることが可能です。これも2030年頃までには一部の車種に搭載されることが期待できます。

■レクサスLSのスピンドルグリル金型は芸術品!

レクサスのフロントグリルは樹脂製で非常に複雑な造形をしています。通常モデルで5,000以上、F SPORTでは7,000以上の面で構成されているようですが、それを実際に製造している豊田合成ブースでは、新型レクサスLC500/LS500hのフロントグリルの金型(レプリカ)を展示中。

この迫力と緻密さは凄い・・・耐久性は約10万個とのことで、補修部品も含めマイナーチェンジまでは十分な耐久性もあるようです。

設計も含め、まさに日本の匠の技術が生かされていると感じました。地味ながらこれは必見ですよ!

■静粛性と見栄えを料率する、内装も豪華!

もうひとつ豊田合成のブースで紹介するのは、レクサスLSで採用された「フラッシュサーフェスウィンドウ」。

ドアガラスのガラスと窓枠との段差を極限までなくしてフラット感を実現し、見栄えの良さと、風切り音の低減を目的としたものですが、その複雑な構造がカットモデルでわかります。これはぜひ他のレクサス車でも採用してほしいですね。

■レクサスESの品質を支えるインテリア部品をチェック!

毎回、レクサス車の主要部品を展示しているのは東海理化ブース。

前回ショーではLS・LCの内装部品を数多く展示していましたが、今回は人気セダン「ES300h」のパーツなどを展示しています。

話題を呼んだ世界初の「デジタルアウターミラー」も東海理化製で話題でしたね。(CMOSはパナソニック、ECUはデンソー)

こうみると、クルマは多くのサプライヤーの協力があって成り立っているのが本当によくわかります。特にES300hオーナーさんは必見!

■近々採用か?「ステアリングタッチコントローラ」

東海理化ブースには「採用が間近では?」、と思われるデバイスもいくつかあり、非常に魅力的な展示がされています。

その中で実現が高そうでかつ先進性が高そうなのがこの「ステアリングタッチコントローラー」。斜め45度からもバッチリ視認できますし、来場者からの反応も高いようでした。

仕組みは、ステアリングスイッチに指で触れると、その機能の詳細が前方のヘッドアップディスプレイに表示されるというものですが、その表示の鮮明さや反応の良さ、実用性も含め非常に有用であり、実際の車への採用は近いのではと感じさせるものでした。

今から約10年前に発売されたレクサスHS250hやプリウスでも採用された「タッチトレーサーディスプレイ」という簡易的なものはありましたが、これはさらに「振動」などのフィードバック機能、フルカラー化、鮮明さなど大幅に機能アップしています。今後は必ずしも目の前にスピードメーターなどの計器類があるとは限りませんので、フロントガラスに投影する「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」の活用という面でも非常に魅力的な提案と感じました。

■アームレスト一体型タッチパッド

2000年代後半から2010年代は欧州のプレミアムブランドカーやレクサスを中心として、手元の遠隔操作デバイスが様々に進化しましたが、スマートフォン・タブレットの普及や性能向上により、結局はもともと存在していたモニター等への「タッチ式」に回帰する傾向が見られました。しかし、手元の操作デバイスは慣れればブラインド操作や安定的な動作を行うことができるなど今後も進化のの余地があります。

一方、将来的に「自動運転」が実現されれば、ドライブ時にシートをリクライニングしたり、後方に移動することも考えると、固定した位置にしかないタッチ操作デバイスの位置は問題となります。

その際に、このような「アームレスト一体型タッチパッド」は日常スマートフォンやタブレットを「握って」操作する形に近く、なかなか面白い提案と感じました。また、アイコンを選択した際の振動も、単純な振動ではなく(表現し辛い・・・)表現豊かなフィードバック機能があり、現在のレクサスのタッチパッドの進化系という印象。

ただ、将来的にはジェスチャー機能などが精緻に動作すれば、このようなデバイスは不要になる可能性もありますが・・・

■世界初、ブレードスキャン式ヘッドランプ

ヘッドランプのサプライヤーとして著名な小糸製作所では、2019年8月下旬にマイナーチェンジされた新型RXで世界初採用された「ブレードスキャン式」AHSのデモンストレーションを実施。公開されている動画とあわせ担当係員の方のデモを見るとこのシステムの凄さが理解できました。また、レクサスRX関連の前後ランプや実車カットモデルの展示もあるので、特に新型レクサスRXオーナーの方は楽しめると思います。

ブレードミラーの回転と12個のLEDの点消灯を制御することで、約300個のLED相当の配光性能を実現するということで、低コスト化も進み今後レクサス車を始めとして多くの車種に搭載が期待されます。

小糸製作所のブースでは実際にブレードミラーの回転速度を上げるとLEDがどのように照射されるのかのデモンストレーションを実施してくれるので原理が分かりますので、お子さま連れの方にもおすすめのブースです。

なお、新型LSやESで採用している「上下2段式AHS」との違いについてですが、照射の細かさはこのブレードスキャン式に軍配があがりますが、欠点としては遮光した部分の「縦方向」もすべてカットしてしまうことのようです。

上下2段式は上段8個、下段16個のLEDを搭載し、前方の車両は遮光しながら、その上方にある道路標識は照射するような配光制御が可能ですが、このブレードスキャン式は前方の車両を遮光すると、その上にある道路標識部分も遮光してしまうというところはデメリットです。また、消点灯するタイプと違い、ほんのわずかですがLEDの輝度が落ちているような印象もあります。

しかし、単なるロービーム走行やオートマチックハイビーム機構に比べれば格段に有用な装備となりますね。

■「ロードプロジェクションランプ」も実現されるか?

小糸製作所のブースにはレクサスRXのカットモデルの他、トヨタ自動車のコンセプトカー「LQ」の一部分も展示。

実際にヘッドライト部分から光を利用して「図形やピクトグラム」を路面に表示して歩行者などに注意喚起や図形描画をおこなうなど、歩行者などとコミュニケーションを行うことを可能としています。

会場のような明るい部分でも十分視認できましたので、実用的な部分も多いと思いましたし、こういった装備が今後クルマに搭載されるとクルマの中から車外にコミュニケーションを取ることができるので非常に面白いと感じました。

そういえば、他のメーカーでも、道路を横断しようとしている歩行者の目の前に「横断歩道」を作り出す仕組みがあり、感心したものです。

■そのほか地方版ナンバープレートなども・・・

車といえば欠かせないのはナンバープレート。徐々に採用が拡大している地方版ナンバープレートの専用ブース(全国自動車標板協議会)もなかなか面白かったです。会場の人の多さやクルマから少し離れてこのようなブースで一休みするのもモーターショーの楽しみ方の一つかもしれません。とくに家族と訪問される際はぜひおすすめです!きっとお気に入りの図柄があると思います。

 

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[なまっくす]

レクサスを中心としたクルマについてのんびりきままにレポートをしている「のんびりなまけにっき」の管理人。

既存メディアがあまり取り上げないようなマニアックなネタも満載。

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