【東京モーターショー2019】レクサスブース LF-30 Electrifiedを世界初公開!

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■謎のヴェールにつつまれたレクサスブース

2019年東京モータ−ショー、レクサスブースで事前告知された展示予定物は「EVコンセプトモデル」のみで謎のヴェールに包まれていました。海外メーカーが次々と出展を取りやめる中、数少ないプレミアムブランドの一つとして、ラグジュアリーなライフスタイル体験型のブースはなかなか印象に残るもので、展示ブースも豊かなライフスタイルを予感させる仕上がりとなっていました。

レクサスは2020年に中国市場でEV車を発売予定とされていますが、EVコンセプトカー「LF-30 Electrified」がついに東京モーターショーで初公開されました。事前公開画像からはサイズ感やジャンルなどが全く不明であったこともあり、プレスデーでのメディアの注目度も高く、目の前に姿を現したそれは未来感ある伸びやかなスタイルと先進性の高いラグジュリーな空間が印象的でした。

開幕前は実用的なコンパクトモデルでは・・・?とも予想していましたが、全長は5メートルを上回り、全幅も約2メートルと立派なスタイルであり、今までレクサスが公開してきた過去のコンセプトカーの中でも最も「先」を見据えた仕様になっていると感じました。

■スペックはレクサスの「L」シリーズを予感させるもの

欧州の各メーカーからも大型で航続距離が長く、加速速度がスポーツカー並のハイスペックなEVカーが次々と発表されていますが、レクサス「LF-30 Electrified」も同様、航続可能距離は500kmを超え、加速性能はレクサスの「F」シリーズを超え、居住空間はラグジュアリーな空間を実現と、あらゆる点で高度なクオリティを保つなど、レクサスのフラッグシップ「L」シリーズ(LY、LC、LS、LX)の仲間入りを予感させる見事なスペックでした。

■1つめの注目はインホイールモーター

「LF-30 Electrified」でまず目立つのは中心が光ったホイールでしょう。

レクサスが開発中とかねてから噂されていた「インホイールモーター」が使用されており、これがイルミネーションの光で視覚的にわかるようになっているようです。

インホイールモーターを4輪に搭載することで駆動力の制御がしやすくなったり車両部品の低減につながるなど従来のクルマづくりとは大きく変貌することが予想されます。ばね下重量の増大やコスト面の課題はあると思いますが、レクサスの「L」シリーズではあれば搭載は問題ないものと考えます。2030年頃には道路からワイヤレスでインホイールモーターに給電する仕組みなども実現化している可能性もありますし、引き続き研究を進めて欲しいところです。

■2つめの注目は特徴的なドア

次は特徴的なドアに目を奪われた方も多いのではないでしょうか。

すでにスーパーカーなど上に跳ね上がるガルウィングやテスラ・モデルXのファルコンウィングなど実用化されているものも多いですが、レクサスでは初採用。ドアトリムにもカーボンの織目が見えますね。また、公式動画からは、ドライバーや同乗者の動きを先読みし自動的にドアをオープンする機能や、降車時にドローンで荷物を運搬する機能など近未来的な付加機能(「Lexus Airporter」)もあるようです。

■3つめの注目はカーボン素材などのボディ構造

ボディ構造についてはニュースリリースでは言及されていませんでしたが、素材として、「カーボン(CFRP)」が使用されている模様。

レクサスでは限定生産のスーパーカー「LFA」でフルカーボンボディが採用されましたが、実用車では2014年発売の「RC F」でルーフ、スポイラー、ボンネット等の一部の外装部品でカーボンを使用したほか、2017年発売の「LC」では大型のドアトリムやラゲージドアなどの内部構造にもカーボンを使用するなど徐々に採用部位を拡大してきたものの、基本骨格となるボディそのものの使用には及んでいませんでした。今回、「LF-30 Electrified」 では、ボディそのものにも使用しているようです。

■4つめの注目は「SOLID STATE」全個体電池?

そして、大きく気になるのは、サイドボディ下部にLEDイルミネーションで光る「SOLID STATE」の文字。

これはトヨタ自動車がサプライヤーと開発を進めている次世代の電池「全固体電池」を指すものと思われます。

レクサスがEV車を投入しないのは航続可能距離と価格のバランス、現在主流のリチウムイオン電池の性能(劣化)に課題があると予想されますが、さらなる小型化、高効率化を実現した次世代の「全固体電池」の実用化が決まればハイパフォーマンス志向のレクサスブランドのEVカーへのシフトも進むものと思われます。

■そのほか実現可能な注目な装備は?

さて、そのほか「LF-30 Electrified」の主要なスペックは公式ニュースリリースが詳しいですが、レクサス車として実現可能と思われる装備としては以下のような項目が挙げられます。

・ARによる車両情報表示、ジェスチャーコントロール

・助手席の大型ディスプレイ&ジェスチャーコントロール

・ヘッドレスト内臓型スピーカー(ノイズキャンセリング機能付き)

・後席グラスルーフ&ディスプレイウィンドウ「スカイゲート」

・サイドウィンドウの透過率を変化

 

現行レクサスが苦手としているムーディな室内演出、リラクゼーション機能など、車本来の機能とは無関係なラグジュリアリー空間を提供しているのは嬉しいところですし、まだ他のメーカーも提供出来ていない大型のディスプレイウィンドウなど、LF30のネーミングの通り、「2030年」までの今後10年間での進化が予想される仕様となっているのが印象的です。

公式動画:https://youtu.be/4bC4vZGP_soから

なお、2009年頃(レクサスRX・HS250h)から使用されてきた遠隔操作デバイス「リモートタッチ」はダイヤル式のものが残されるのみで、多くの操作はジェスチャーや音声認識に取って代わり、従来型デバイスは大きく姿を変えることをレクサス自らが予言しているように感じます。

■レクサスの実用EVはいつ発売されるのか?

今回は2030年までを見据えたモデルとしてフラッグシップ的な「LF-30 Electrified」が発表されましたが、ハイエンドクラスにおいては、他のメーカーがすでに販売しているような現在主流のリチウムイオン電池を用いた一般的なEVカーの発売はもう少し先であり、本格展開は全固体電池の実用化後である・・・ということを暗示しているように感じます。

ユーザーサイドとしては現在日本市場でも注目を集めている、テスラ社「モデル3」に対抗できるような、頑張れば「手が届く」価格のハイスペックかつオンラインアップデートでスペックが拡張されたり、モダンかつシンプルな操作体系など新しい価値観をもつ車に対抗できるような日本車がぜひ登場してほしいところ。

トヨタ/レクサスのハイブリッドカーのクオリティや性能の高さは誰もが認識しているところですが、やはり先進性という面ではいますぐにでも実現できる技術での実用的なEVカーの登場を期待している方も多いのではないでしょうか。

レクサスで今後登場が予想されるのは2018年11月に発売以降主力の「UX」のEV車(仮称:UX300e)ですが、日本の道路環境や駐車環境を鑑みると特に全幅はもう少し狭いほうが扱いやすいところ。2010年発売以降、フルモデルチェンジが行われていないものの、小型で扱いやすい「CT200h」の後継車をぜひEVモデルまたはFCVモデルとして、先進の安全装備や先進装備を搭載して生まれ変わってモデルチェンジしてほしいところです。

東京モーターショー2019レクサスブースでは「LF-30 Electrified」のデザインスケッチやミニチュアなどの資料も展示されていますので、気になる方はぜひチェックを!

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[なまっくす]

レクサスを中心としたクルマについてのんびりきままにレポートをしている「のんびりなまけにっき」の管理人。

既存メディアがあまり取り上げないようなマニアックなネタも満載。

(写真撮影協力:WISE CRAFT WORKS)

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