日産 軽EVのコンセプトカー「ニッサン IMk」を、東京モーターショー2019で世界初公開

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日産は、2020年代の「ニッサン インテリジェント モビリティ」が目指す将来の姿を体現する電気自動車(EV)のコンセプトカー「ニッサン IMk」を世界初公開した。なお、「ニッサン IMk」は、「第46回東京モーターショー2019」に出展される。

 

「ニッサン IMk」は、新開発のEVプラットフォームを採用した軽自動車規格のクルマ。コンパクトなボディサイズでありながら、これまでの常識を覆すEVならでは力強くスムーズな走りと驚きの静粛性を実現する革新的なシティコミューターであり、最新の運転支援技術やシームレスなコネクテッド機能を搭載し、ドライバーが自信を持って運転できるようサポートするだけでなく、クルマでの移動をもっとワクワクした体験へと変えていくと説明している。エクステリアには、都市部の洗練された景観から日本らしい伝統的な街並みにも自然に溶け込む上質でシックなデザインを取り入れ、新しい時代の小型EVの姿を提案している。

 

【運転支援技術「プロパイロット 2.0」を進化させた次世代の運転支援技術を搭載】

「ニッサン IMk」には、運転支援技術「プロパイロット 2.0」を進化させた次世代の運転支援技術が搭載されている。高速道路での運転支援から主要幹線道路に利用範囲を拡大し、幅広いシーンでドライバーの運転をサポートする。また、スマートフォンを使ってクルマを自動的に駐車することができる「プロパイロット リモートパーキング」や、クルマから降りると無人の状態の「ニッサン IMk」が自ら空きスペースに駐車し、必要なときにドライバーがスマートフォンで呼ぶとドライバーの元まで迎えに来るドライバーレスバレーパーキング機能を搭載している。運転経験の浅い人でも数々の運転支援機能により、安全で快適なドライビングを楽しめるなど、日産の先進技術ですべてのドライバーがあらゆるシチュエーションで安心して使用できるようにサポートする。

 

【ニーズの高い「軽」サイズのボディに、EVの高い静粛性とパワフルな走行性能を実現】

ボディサイズは、日本の暮らしの中でちょうどいい「軽規格」のサイズ。新開発パワートレインや低重心のパッケージを採用することで、EVならではの力強く上質な走りと高い静粛性、これまで体験したことのない快適なドライビングを実現しているほか、モーター駆動ならではのレスポンスの良いパワフルでスムーズな加速により、ストップアンドゴーや車線変更が多い街中ではもちろん、傾斜のある道を走るときなど、あらゆるシーンにおいて、これまでの軽自動車の常識を変える走りを提供する。

 

【最新のコネクティビティ機能を搭載し、ドライバーと社会がいつでもつながるクルマへ】

通信技術では、最新のコネクティビティ機能を搭載し、クルマと社会、ドライバーがいつでもシームレスにつながることが可能となっている。スマートフォンと連携してドライバーを認証し、クルマに乗り込むたびにシートポジションや好みの香りなど、認証されたドライバー個人にパーソナライズされたセッティングに変更するほか、ドライバーが乗り込む前にエアコンやステアリングヒーター、シートヒーターなどが作動することで、乗車する人が快適な車内空間をあらかじめ作ることができるようになっている。そのため、家族でクルマを共有する場合でも、いつでも車内を自分のお気に入りのプライベートスペースにしておくことが可能なほか、ドライバーのスケジュール管理ソフトともつながり、クルマが渋滞など最新の交通状況を考慮してスケジュールに間に合う出発時間をスマートフォンに通知するので、時間を無駄にしないシームレスな移動を実現する。目的地に到着すると、ドライバーレスバレーパーキング機能により自動で空いているスペースを探して駐車をする。また、V2X(Vehicle to Everything)を搭載し、駐車中でもドライバーのスケジュールや次の目的地を事前に把握することで、ドライバーの次の移動までもシームレスにサポートする。その後の移動に必要な電気を残しながら、V2H (Vehicle to Home)の機能を通して家庭やオフィス、地域社会のエネルギーマネジメントに貢献する。さらに、CES2019で日産が発表した究極のコネクテッドカー体験を生み出す将来技術「Invisible-to-Visible(I2V)」も搭載しており、休日にはアバターとなって車内に現われた友人との会話を楽しみながらドライブの時間を過ごすことができ、移動中であっても遠隔地にいる友人とつながり、充実したソーシャルライフを楽しむことが可能となっている。

 

【日本の文化を取り入れたエクステリアデザイン】

エクステリアは、フロントからボディサイド、そしてリヤへと滑らかに面や線が流れていくデザインとなっている。車体色には、日本古来より使われている金属で日本の文化に所縁のある「アカガネ」を採用し、細部に至るまで日本のDNAを取り込んだ表現を施しており、バンパーやホイール、タイヤ、テールランプ、ルーフには「水引」模様の流れの美しさにヒントを得たスリットパターンを、フロントグリルやリヤコンビランプには木組みを模したような格子パターンを表現している。こうした日本の伝統的な表現はEVとの親和性が非常に高く、緻密でダイナミックなデザインを可能にしている。

 

 

【快適な時間を過ごす「部屋」として開発されたインテリア】

インテリアでは、これからの自動運転の時代に向け、運転のための空間から、快適な時間を過ごす「部屋」としての空間へ変化することを意識して開発されている。直線やシンプルな曲面を使って構成された空間は、クリーンでモダンな「部屋」を表現し、「アカガネ」のアクセントはそこに上質さと艶やかさを加えている。インストルメントパネルは一切のスイッチを廃し、ユーザーに必要な情報はアイコニックなプリズムディスプレイの中で、情報が空中に浮かび上がるかのように映し出されるようになっている。ディスプレイには、インタラクティブにパーソナライズされた、ウイットに富んだ楽しいGUIがホログラムのように映し出されるほか、日本家屋の縁側や障子がそうであるように、プリズムディスプレイの手前と向こう側を視覚的に連続させるデザインは、奥行きや広さを感じさせ、リラックスできる楽しい空間を創り出している。コンパクトなEVパワートレインによって、余裕のあるフットスペースに暗めの色を配し、インテリア全体を包む淡い色とベンチシートによってラウンジのようなリラックスできる空間を演出している。

 

 

デザインを統括したエグゼクティブ デザイン ダイレクターの田井 悟氏は、「『ニッサン IMk』は新しい時代の小型EVとして、都市の洗練された景観にも、日本の伝統的な街並みにも自然に溶け込むようデザインしました。『ニッサン IMk』は日本のDNAが持つモダンでクリーンな佇まいとEVの先進技術とを融合し、これまでの軽自動車の既成概念にとらわれることなく、日本の文化にあわせて考え抜かれています。上質な小型EVとして、より多くのお客さまにお乗りいただきたいと思っています」と語った。

 

また、グローバルマーケティング&セールス、グローバルEV事業を担当する副社長の星野 朝子氏は、「『ニッサン IMk』は、EVだからこそ得られる静かでダイナミックな走りにより、快適でストレスフリーな移動の時間を楽しむことができます。シームレスな操作によってより直感的でいつでもクルマとつながっているという、今までなかった体験をお客さまにご提供します。そして、『ニッサン IMk』そのものがドライバーにとってお気に入りの空間となり、暮らしの中で、なくてはならない場所になるでしょう」とコメントした。

 

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