トヨタとスバルが新たな業務提携に合意、トヨタからスバルへの出資比率を引き上げ、スバルもトヨタの株式を取得

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トヨタ)とスバルは、両社の長期的提携関係のさらなる発展・強化を目指し、新たな業務資本提携(以下「本業務資本提携」)に合意したことを発表した。

 

両社は、2005 年に業務提携について合意して以来、スバルによるトヨタ車両受託生産や、トヨタからスバルへの車両供給、ならびにFR スポーツカー「TOYOTA 86」/「SUBARU BRZ」の共同開発などの協業に取り組んでいる。また、自動車業界に大きな変化が訪れている今、CASE 領域を含む新しい領域における対応が求められており、本年6 月にはスバルのAWD(全輪駆動)技術とトヨタの電動化技術を活用した、EV 専用プラットフォームおよびEV 車両開発にも取り組むことで合意したことを公表した。100 年に一度の変革期において、両社は更に絆を強め、力を合わせていくことで、CASE 時代においても「走る愉しさ」を追い求め、これまでのトヨタ、スバルを超える、もっといいクルマづくりを目指すと述べている。そして、両社のブランドの独自性を尊重しつつ、次のステージに向け、関係をより深いものに発展、結び付きを強化するために、今回トヨタからスバルへの出資比率を引き上げるとともに、スバルもトヨタの株式を取得することに合意した。

 

【業務提携の内容】

1) これまでのトヨタ、SUBARUを超える、もっといいクルマづくりの追求

  • 両社の強みを持ち寄り、最高に気持ちの良いAWD モデルを共同で開発
  • TOYOTA 86 / SUBARU BRZ 次期モデル共同開発

2) 100 年に一度の変革期を生き残るための協業拡大

  • Crosstrek Hybrid(現在、北米市場のみ展開。Crosstrek は日本名 SUBARU XV)に続き、他のSUBARU車へもTHS(トヨタハイブリッド
    システム)の搭載を拡大
  • コネクティッド領域での協調、自動運転分野での技術連携

【資本提携の内容】

  • トヨタによるスバル株式の取得 : 取得株式数 議決権比率20%に達するまでの株式数(2019年3月31日現在では24,289,500株(議決権比率3.17%))
    ※なお、本業務資本提携に基づく、トヨタによるスバル株式の取得により、トヨ
    タの議決権比率は現状の16.83%から20%以上となり、スバルトヨタの関連会社となる見込み
  • SUBARUによるトヨタ株式の取得 : 左記のトヨタによるSUBARU株式の取得に要した金額と同額(800億円を上限とする)に相当する株式数
  • 取得方法 : 市場買付け及び/又は相対取引を通じた買付け
  • 取得時期 : 競争当局の承認が得られ次第取得予定

 

トヨタの豊田章男社長は「100 年に一度の変革の中、今後CASE の進展によってクルマの在り方が変わっても、『走る愉しさ』はクルマの本質であり、しっかりと守り続けるべきものだと思います。私自身もラリーストであり、インプレッサで練習に励んでいた経験などから、SUBARUの素晴らしいAWD の技術を肌で感じてきました。また一方で、我々トヨタもWRC などを通じAWD の技術を必死に磨いています。『走る愉しさ』を追求してきた両社が、お互いの持つ強みを持ち寄り、更に関係を深めることで、CASE の時代に相応しい『もっといいクルマづくり』の可能性を追求していきたい」と語った。

また、スバルの中村知美社長は「当社とトヨタとの間には既に14 年間におよぶアライアンスの歴史があります。その間、商品開発・生産・販売など各分野にて人的交流も含めた絆を深めてきました。ここまで築き上げた両社の関係をもう一段ステップアップさせることにより、CASE などへの対応力を強めるとともに、お互いに技術を磨き合いながら、両社の共通の想いである『もっといいクルマづくり』を加速させます。これはSUBARUが提供する『安心と愉しさ』という価値を高めることであり、必ずやお客様にも喜んでいただけることと信じています」と述べた。

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