日産とフォーアールエナジー、「リーフ」と中古バッテリー活用の「定置型蓄電池」を組み合わせた新たなソリューションを確立

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日産とフォーアールエナジー株式会社(牧野社長、本社・神奈川県横浜市西区、以下、4R)は、電気自動車「日産リーフ」と日産リーフの中古バッテリーを活用した「定置型蓄電池」を組み合わせた新たなソリューションを確立し、26日より実証実験を開始した。神奈川県内のセブン‐イレブン10店舗で開始する「再生エネルギーによる電力調達の実証実験」において、本スキームを開始する。

 

【セブン‐イレブンでの実証実験】

  • 「日産リーフ」の中古バッテリーを活用した「定置型蓄電池」を10店舗に設置
  •  発電効率を大幅に高めた太陽光パネルも設置することで、自家発電による電力を効率的に活用
  •  更に、2019年11月より、発電分以外の電力の調達を「卒FIT」電力から調達することで、自家発電分と合わせた再生可能エネルギー比率100%を達成

 

上記スキームにおいてセブン‐イレブンは、日産リーフとリーフの中古バッテリーを活用した「定置型蓄電池」をパッケージで導入し、営業車として導入する「日産リーフ」は、クルマとしての利用が終了した後に定置型の蓄電池として使用され、パッケージで導入することにより、バッテリーの再利用までを考慮した循環型のシステムとなる。

 

日産は、4Rなどと共に、電気自動車やバッテリーの個々の能力変化に応じて二次利用する手法を事業モデル化し、電気自動車のライフサイクルを通じて有効活用する「カスケードリユース」を目指している。今回のバッテリー再利用の循環型システムは、この「カスケードリユース」のソリューションのひとつと位置付けられる。新車としての役目を終えた電気自動車は、中古車として利用される他、中古のバッテリーについては、ゴルフカートやフォークリフト等に再利用されている。

 

さらに、今回の実証実験のような「定置型蓄電池」は、その市場が広がりつつあり、電気自動車は車体やバッテリーの能力を検証し、その能力に応じて二次利用を行うことにより、様々な形で長期間に亘って機能を発揮する。日産リーフは、2010年12月の初代モデル発売以降、現在までに、国内で累計12万台以上を販売しており、中古バッテリーの市場も今後さらに広がるものと考えられている。

 

この実証実験で使用される4Rの「定置型蓄電池」は、今年6月に世界初のULの認証規格であるUL1974を取得した中古蓄電池を採用している。持続可能なエネルギー供給を有効活用するための定置型蓄電池は、非常に高額であることが問題視されており、日産リーフと中古バッテリーによる「定置型蓄電池」とのパッケージ化により、長期にわたるライフサイクルでのコスト低減が実現した。さらに、40kWhという大容量の電気を蓄積できる蓄電池システムのため、災害時における電力源としても十分な電力供給を行うことが可能となる。

 

 

日産は、2018年5月より日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」の活動を開始しており、この活動は日本の各地域が抱える防災、温暖化対策、過疎、観光、そしてエネルギーマネジメントなどの様々な課題を、電気自動車の大容量バッテリーやCO2ゼロの価値を活用して、自治体や企業と一緒に解決していく取り組み。今回、4Rと共に確立したソリューションは、まさにブルー・スイッチの大きな柱となり、両社は新たなソリューションとして電気自動車を活用したエネルギーマネジメントの先進的なモデルケースとして今後広く普及させていく考えだ。

 

 

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