スズキ、月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナーに参画

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スズキと、株式会社ispace(所在地:東京都港区、袴田 武史ファウンダー&CEO、以下「ispace」)は、世界初の民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナーに参画することに合意したことを発表した。

 

スズキは、自動車開発における構造解析技術を用いて、ランダー(月着陸船)で使用されるボディ、着陸脚などの構造部品における構造解析で技術協力し、月面探査ミッションに貢献していく。

 

「HAKUTO-R」は、2023年までに行う史上初の民間月面探査プログラムで、独自のランダーとローバーを開発し、2021年に月面着陸と2023年に月面探査の2回のミッションを行う予定となっている。

 

スズキは、ispace社に出資もしており、また、民間開発のロボット探査機を月面で走行させ、画像データを月から地球に送信することを競う、国際月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に挑戦したチームHAKUTOのコーポレートパートナーでもあった。

 

ロケットの打ち上げコストはロケットの重量に比例するために、「HAKUTO-R」では開発するランダーとローバーの小型軽量化を重要視しているが、一般的にモノを小型・軽量にすると、強度が損なわれるとされ、十分な強度を維持するためには構造設計において多様な工夫が必要になると説明している。また、着陸脚には、月面に降り立つ瞬間にかかる衝撃を精密に計算し、シミュレーションと解析を行い、確実に着陸ができる設計が必要となる。

 

スズキは、安全性と信頼性を確保しながら小型で軽量な四輪車を開発するノウハウを持っており、着陸脚の衝撃吸収の解析にとどまらず、主要な構造部材の設計支援を通して、地球上で培われた自動車技術を用い、「HAKUTO-R」の月面探査の挑戦に貢献していく。

 

スズキ 代表取締役社長 鈴木俊宏氏は、「今回、再びispaceの月面探査の夢を支援出来る事を大変喜ばしく思います。小さなクルマづくりを通じて社会に貢献してきたスズキは、2016年に小さなローバーで夢にチャレンジするHAKUTOに共感し、支援することを決めました。今回、更なる技術協業を通じて、HAKUTO-Rの月面探査ミッションに再び貢献していきたいと思います。」と語った。

 

また、株式会社ispace ファウンダー&CEO 袴田武史氏は、「宇宙機の軽量化は非常に重要であるため、改めてスズキにコーポレートパートナーに加わっていただき大変心強く思います。スズキが小さなクルマ作りで培ってきた技術とノウハウが、HAKUTO-Rを通じて宇宙開発に貢献できる機会をしっかり提供していきます。」とコメントした。

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