日産と羽村市、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結

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日産と羽村市(東京都)は、「災害時における電気自動車からの電力供給に関する災害連携協定」を締結したことを発表した。

 

日産は、電気自動車の普及を通してゼロ・エミッション社会を実現し、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するために、昨年5月に日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』をたちあげた。これは、日産が電気自動車のパイオニアとして、電気自動車の普及を通してゼロ・エミッション社会を実現し、社会の変革に取り組んでいくという決意であり、使命とする活動であるとしている。

 

また、日産は、地域が抱える、防災・減災、温暖化対策、過疎、観光、そしてエネルギーマネジメントなどの様々な課題に対し、電気自動車の大容量のバッテリーやCO2ゼロの価値を活用し、自治体や企業と協力しながら、解決できるよう取り組んでいる。

 

羽村市は、今回の協定の内容において、『地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、日産の販売会社である日産プリンス西東京販売株式会社から貸与される電気自動車(EV)「日産リーフ」を電力源として活用することで、避難所等の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める』というものであると説明している。

 

また、羽村市は、この連携協定締結にあわせ、電気自動車「日産リーフ」4台を導入し、通常の公用車として使用するほか、各種イベントなどにおける電力源としても活用することで、ゼロ・エミッションを推進するとともに、災害発生時における大規模停電が発生した場合の電力源として活用していくとしている。

 

さらに、羽村市の市庁舎に設置されている太陽光パネルで発電した電力を、この「日産リーフ」に充電することで、災害発生時においても途切れない電力として、継続的に電力供給を行うことが可能となる。

 

羽村市が推進する、羽村市域の地球温暖化施策の運輸部門対策であるAZEMS(エイゼムス)プロジェクトは、All Zero Emission Mobile Systemの頭文字を取った羽村市による造語で、自動車からの二酸化炭素排出量をゼロにしようとする取組みである。AZEMS(エイゼムス)は、太陽光発電システムと多段的に用いたリチウムイオン二次電池による、マイクログリッドEV急速充電の構築により、電気バス及び電気自動車のCO2フリー走行を実現した、都市部に適合するスタイルのコンパクトなスマート交通システムになっている。

 

羽村市は、平成29年度に、この先進的な取組みが認められ、地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞している。

 

今回、日産が推進する「ブルー・スイッチ活動」と羽村市の「AZEMS(エイゼムス)プロジェクト」、双方の取組みにお互いが賛同し、今回の協定の締結を行う運びとなった。

 

【災害連携協定の概要】
  • 羽村市で災害発生を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所(市内10か所)等に、太陽光発電を供給源とする電気自動車を配備し、巡回型の電力供給体制を構築する。また、日産、および、日産プリンス西東京販売は、日産プリンス西東京販売の店舗に配備している電気自動車(EV)「日産リーフ」を無償で貸与する。
  • 日産、日産プリンス西東京販売、羽村市の協力により電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、指定避難所等の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。

 

日産は、人々の生活を豊かに、というビジョンのもと、「ニッサン インテリジェントモビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスを提供することを使命に活動を続けている。そして、『ブルー・スイッチ』の推進に加え、電気自動車(EV)というクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指していく。

 

羽村市は、今回の協定締結を契機として、羽村市内の企業や市民が所有する電気自動車を災害時に活用するための方策を検討し、災害に強いまちづくりを実現していく。また、羽村市では、市独自のAZEMS(エイゼムス)プロジェクトを立ち上げた平成26年度に創省エネルギー化助成制度の充実を図り、その中で次世代自動車を導入する場合の助成メニュー(上限30万円)を加えた。今後も、これらの継続した取組みにより、地球にやさしいスマートなまちづくりを目指すと説明している。

 

日産と羽村市は、今回の協定締結を機に、今後も地球温暖化防止とゼロ・エミッション社会の実現に向けて、更には、電気自動車(EV)の普及を通じたさまざまな地域課題の解決に向けて連携を強化していくとしている。

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