ブリヂストン・日精工・東京大学の合同研究機関、道路から電気自動車のインホイールモーターへのワイヤレス給電実用化を目指す

業界ニュース

東京大学大学院新領域創成科学研究科 藤本研究室(以下:東京大学)が展開する、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)未来社会創造事業の研究プロジェクト「電気自動車への走行中直接給電が拓く未来社会」に、日本精工株式会社(以下:NSK)、株式会社ブリヂストン(以下、ブリヂストン)が共同研究機関として昨年より参画していたが、今回、8月に基本特許に関する合意を結び、共同で電気自動車(EV)に搭載されるインホイールモーターへの走行中ワイヤレス給電の実用化を目指すことを発表した。

 

今回のプロジェクトは、二酸化炭素(CO2)の排出を抑制する「低炭素社会」を構築するための、全く新しい概念や科学に基づいた革新的な技術を創出することを目的として、東京大学大学院新領域創成科学研究科藤本博志准教授らの研究グループが提案し、JSTが「地球規模課題である低炭素社会の実現」領域の2017年~2022年の研究テーマとして採択したものである。

 

日本のCO2排出量(11億9,000万トン)のうち、自動車からの排出量は15%(1億7千600万トン)にのぼり、欧州では2020年に自動車のCO2排出量を抑制する規制が予定されている。その動向を踏まえて、世界中の自動車メーカーが車両の電動化(EV化)の開発・普及を推進しているが、近い将来にバッテリーの供給不足が懸念されている。上記プロジェクトでは、ホイール内に配置したモーターへ走行・停車中に、路面から直接給電することで、より少ないバッテリー搭載量でEVの航続距離を確保可能にする技術開発を行っている。これにより、バッテリーの供給不足の懸念を払拭すると共に、EVの軽量化が可能となるとしている。

 

 

今回の研究プロジェクトにおいて、東京大学は、インホイールモーターへのワイヤレス給電コンセプトの立案と改良、および基盤技術の研究開発を担当している。NSKは、これまでのインホイールモーター開発で得られた技術を活かして、搭載性に優れたインホイールモーター開発を担当するとともに、走行中給電インフラの社会実装に関する検討を推進する。ブリヂストンは、給電を阻害しない有機材料の知見やタイヤ開発の技術を活かし、給電時にインホイールモーターへの電力伝送を高効率で達成するためのタイヤの技術開発を担当する。今後、このプロジェクトではインホイールモーターの設計・試作・評価および搭載車両の製作を行い、2022年までにタイヤを含めた車両での評価を行い、他の組織・企業が持つ様々な領域の知見を広く取り入れながら、2025年に実証実験フェーズへの移行を目指しているとのこと。

 

また、東京大学、NSK、ブリヂストンは、上記プロジェクトに関わる基本特許をオープン化することに合意し、プロジェクトの運営委員会で承認された企業・団体が権利化された技術を無償で使用可能となる知財の仕組みを整備する。これにより、現在の共同研究の枠組みに留まらず、オープンイノベーションによって研究開発を促進するとしている。今回の取組みを通じて、オープンイノベーションを推進しながら様々な領域の技術を融合させることで、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献していくと述べた。

おすすめ記事

Tagged