ボルボV60 T6 ツインエンジン試乗 もうガソリンには戻れない?市街地から高速まで高い実力をフルに発揮するPHEVがオススメだ!

試乗レポート

ボルボといえばステーションワゴン。そしてその中核となるのがV60だ。昨年一新され、新世代となったこのV60だが、昨秋の発売以来高い人気を集めている。洗練されたスタイルと高い実用性を両立したボルボらしさがその人気の理由だろう。

さて、この2代目V60が搭載するパワートレーンは、2Lガソリンターボの「T5」と、PHEVの「T6ツイン・エンジン」「T8ツイン・エンジン」の3種類。発表と同時にデリバリーが開始されたのはT5のみであったが、今春から「T6ツイン・エンジン」「T8ツイン・エンジン」のデリバリーが開始され、また6月には「T6ツイン・エンジン」には上級グレードの「Inscription」に加え、ベーシックグレードの「Momentum」も新たに加えられた。

というわけで、あらためてV60のラインアップを整理すると

・T5 Momentum (499万円)
・T5 Inscription (599万円)
・T6 Twin Engine AWD Momentum (659万円)
・T6 Twin Engine AWD Inscription (759万円)
・T8 Twin Engine AWD Inscription (829万円)

となる。これまでガソリンとPHEVの価格差が大きかったが、PHEVのエントリーモデルとしてT6にMomrentumが加わったことでその差が縮められた。ちなみにT5・InscriptionとT6・Momentumでは60万円の価格差があるが、PHEVのT6はエコカー減税・補助金が45.5万円適用されるので、その差は14.5万円となる。

となれば、この差額分14.5万円の価値があるかどうか、ということになるが、結論から言えば「十分あり」だ。PHEVならではの走りや経済性を考えれば、これを選ばない手はないといえるだろう。たとえ自宅に充電設備を設置できなかったとしてもである。

さて、今回試乗したのはT6の上級グレード「T6 Twin Engine AWD Inscription」。フロントをエンジン、リアをモーターで駆動させるPHEVで、トップグレードであるT8との大きな違いはエンジンのパワーになる。エンジンはどちらも直2Lのターボ&スーパーチャージャーだが、最高出力はT8の318psに対し、T6は253psに抑えられている。リアモーターはどちらも最高出力87psで同じ、バッテリーも同じだ。

T6 Twin Engine AWD Inscription
T6 Twin Engine AWD Inscription

エクステリアやインテリアは、ガソリンのT5とも同等。細かく見ればツインエンジン専用のロゴプレートや給電口などの違いはあるが、基本的には同じといってよい。駆動用のリチウムイオンバッテリーを搭載するが、搭載位置は車体下部のため、室内、荷室とも使い勝手もT5と同等である。もちろんボルボ自慢の安全装備も同等だ。

フロントを駆動する2Lエンジン
フロント左側に給電口が設置されている

走行モードは、モーター走行を優先する「ピュアモード」、エンジンとモーターをバランスよく使う「ハイブリッドモード」、エンジンとモーターをフル稼働させる「パワーモード」、今回は試せなかったが、トラクションを最大化させる「AWDモード」を搭載する。

まずは、デフォルトのハイブリッドモードでスタート。エンジンのトルクが発生するまでの間をうまくモーターがアシストする感じで、発進から巡航域までシームレスな加速を見せる。さらに踏み込むとエンジンがメインになるが、遮音性も高くうるさく感じることもない。

続いて「ピュアモード」を選択。これは要するにEVモードだが、最高速度125キロまでモーターのみで走行できるので、日本の公道を走る分には一般道から高速道路まですべてモーターのみでカバーできることになる。実際に試してみると、特に低速域での強烈な加速感が楽しい。高速域ではさすがに加速が鈍るが、市街地を走るのなら十分だろう。ガソリン車とは異なる電動車ならではの走りの楽しさだ。

一方「パワーモード」は、加速感が一気に増す。実直なプレミアムワゴンというおとなしめのキャラクターには似合わないほどパワフルな走りとなり、ステアリングの操舵感も重めに、エンジンサウンドも厚みを増してスポーティーな走りが楽しめる。パワーを求めるならさらにT8という選択肢もあるが、正直なところこのT6でも十分すぎるほどだ。

全体として、基本的な乗り味はT5に準じるが、重量物であるバッテリーを下部に搭載する事で重心高が下がっており、安定感が高い。軽快さでは重量が軽い分ガソリンが上回るが、高速道路を長時間走り続けるような状況なら、PHEVの方が適している。一方で市街地での静かな走りや、パワーを活かしたダイナミックな走りが楽しめるのもPHEVならでは。V60が持つ高い実力を気付かせてくれるモデルだ。試乗する際はぜひガソリンと乗り比べてみて欲しい。必ずやPHEVの楽しさに魅了されるはずである。(鞍智誉章)

おすすめ記事