「有山勝利の視軸」もっと歩行者を守ろう 園児とは手をつなぐことが悲惨な事故を防ぐ第一歩

コラム・特集

現場検証が行われたニュースを見ても、心が痛む悲惨な交通事故がまたまた起きてしまった。歩行中の複数の子供と高年者運転の自動車である。

軌を一にして、新聞の投書欄には多くの投稿が寄せられ、その中には高年者の免許保有者から、免許の返納を誓うものも目立った。

公益財団法人交通事故総合分析センターの集計によれば、保育園や幼稚園の園児が通園のため歩行していて、自動車等に巻き込まれ、昨年までの5年間に541人が死傷(うち4人は死亡)していたことが分かった。

その内訳は、登園中が260人で(うち死亡は2人)、園からの帰宅中が281人(同2人)だった。

事故の加害者となったクルマを種類ごとに分けると、最多は乗用車で344人、続いて自転車等、軽車両70人、トラック等の貨物車67人であった。

園児が事故に遭うのは園近くで、他の保護者の送迎車両にはねられたり、保護者が荷物を抱えている等の理由から、手をつないでいない状況で事故に巻き込まれたりすることもある。

休日等、園とは関係のない、遊びや買い物の際、歩行中にクルマにはねられて死亡した園児は35人、負傷は4529人であった。

この集計には、保護者が運転する乗用車、自転車に同乗していた時の事故は含まれない。

身長の低い園児はドライバーから見えないことが多いとして、事故防止のためにはドライバーの啓発や、ガードレール、歩道の整備を積極的に進めることが大切である。

日本では交通事故死者のうち、歩行中の死者の割合が35%(2016年)で最多を占めており、交通事故の国際比較でもアメリカ、ドイツ、フランス、スウェーデンが軒並み15~16%であるのに対し、日本の35%は2倍を超える。

このように、日本で歩行中の交通事故死者が増えたのはここ10年ほどの傾向で、エアバッグや自動ブレーキ、車間距離センサー等、安全装備の普及により自動車乗車中の事故死者の減り方が急である一方、歩行者の保護が遅れているのは事実である。

有山勝利プロフィール

1937年生まれ。1960年に総合輸入車ディーラーに入社、そのまま定年まで殆ど広報作業に従事、依頼により1966年より、ブリヂストン・タイヤニュース、週刊大衆に連載執筆、筆名に有川 浩を使用、月刊自家用車、報知新聞、日刊スポーツ、スポーツニッポン、ディリースポーツ、マイカー情報(札幌)、くるまにあ にも連載、単発は無数。媒体側と広報担当の双方と交友、互助の功を上げた。