自転車大国中国 アルミホイールのスポーツ型電動自転車も

コラム・特集 車屋四六

20世紀末、水戸黄門がスイスイと自転車で坂道を登るCMがTVに流れていた。電動自転車、正しくは電動アシスト自転車のCM。
その世界初誕生は1993年のヤマハPAS。次いで95年にホンダが参戦して、一気に普及が始まった。

今では日本の津々浦々にまで走る姿が見られる。初めの頃は20㎞ほどだった走行距離も、今では二倍、三倍に伸び、車種によっては100㎞に近づいている。電池は安いニッケル水素からリチュームイオン電池に移行し、性能も向上したが、値段も上がった。

が、こいつの不便は電池が切れた時。重い車体は電池切れで漕ぐと息が切れる。もう少し早くなればという希望もあるが、法的分類が自転車だから、速度上限24km/hを越えると駆動補助をしなくなるのに不平を云う人もいる。

子供用椅子付/大きな鉛電池が目立つ/下が電池で上の箱は充電器のようだ/スカート巻き込み防止ネットが見える
■自動車の増加に伴い自転車市場にも変化が

20世紀末から15年間ほど毎年中国へ通った。将来を予測して、普及が始まった自動車市場の発展ぶりを見たかったからだ。
自転車大国で知られる中国だが、急激に自動車が増えている。

その自動車、21世紀入った頃のタクシーを例に取れば上海も北京も圧倒的に現地生産のVWサンタナ、そして小型はダイハツシャレードだったが、2010年に近づくとVWは健在だが、シャレードは姿を消し、韓国製ソナタが大量に増えていた。

もちろん一部の金満家特権階級はベラボーに高い輸入高級車、また現地生産が進んだ欧米日の高級車という構図が出来ている。10年ほど前だろうか、日本では1億数千万円のブガッティベイロンが北京自動車ショーでは5億円で、直ぐに5台売れたと聞いた。

一般大衆は相変わらず自転車だが、所得が増えたせいで贅沢になり、21世紀に入ると電動自転車が鰻登りに増え始めた。
ふと気がつくと、自転車なのに漕いでいる人がいない。結局のところ中国ではペダルはあるが、実質電動バイクなのである。

よく見れば、安価な鉛電池だが、大型だからかなりな距離を走れそうだし荷も積めそうだし、安い充電器で済みそうだ。
中国電動自転車には色々あり、普通の形でスカート巻き込み防止ネット付もあり、太いタイヤの重量運搬用、三輪車、洒落たアルミホイールのスポーツ型まで見つかった。

アルミホイールと洒落たボディーカバーで{都市風スポーツ}を名乗る電動自転車:寒い北京らしくグリップに防寒用カバーが

著名評論家三本和彦とデルタ工業/広島の無錫工場を訪れた時、値段が3~4万円と聞き「日本に2台送って」と頼んだが、後日連絡があり「漕がずに走るのは自転車ではない」が警察の見解で、日本では原チャリ登録になると聞いて諦めたことがあった。(車屋四六)

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