【人とくるまのテクノロジー展2019】ヴァレオは、自動車産業のモビリティ革命をリードするイノベーションを披露

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世界的な自動車部品サプライヤーであるヴァレオは、自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2019(5月22日~24日、パシフィコ横浜・展示ホール)に7年連続で出展し、自動車業界で起きているモビリティ革命の中核である電動化、自動運転とデジタルモビリティに貢献する画期的なテクノロジーを披露する。

●幼児置き去り検知システム

先進的な生体検知センサーによる幼児置き去り検知システムを日本で初出展する。このシステムは、バイヤーイメージングのレーダーセンサーによって、呼吸により車室内の生体を検知。このレーダーセンサーは、毛布や暗がりで視覚的に見えない乳幼児でも検知でき、車内への置き去り防止などに活用できる。これにより、乳幼児が車室内に置き去りになってしまった際に、ドライバーのスマートフォンにアラームを出すなどの活用が可能になる。この幼児置き去り検知機能は、 自動車の安全性を評価するユーロNCAP(ヨーロッパ新車アセスメントプログラム)で2022年よりスコアリング対象になる見込み。

レーザースキャナーSCALA2

2017年にドイツのプレミアムカーブランドに搭載され、18年PACEアワードを受賞したSCALAの新モデルを展示。SCALA 2は現行品の幅広い検知角度、優れた分解能と正確さを維持しながら、垂直方向の検知角度を3倍広げた。
ヴァレオのレーザースキャナーは、静止物も動体もあらゆる障害物を検知し、昼も夜も高速でも低速でも高い性能を発揮する、高度な自動運転を実現する上でのキーデバイスとなっている。20年から欧州メーカー向けに量産が開始される。

●センサークリーニング

自動運転車には自車周囲の状況を解析するため多数のセンサーが搭載されており、これらのセンサーはあらゆる天候下で確実に作動しなければならないため、常にクリーンに保たれる必要がある。そこで、同社ではあらゆるカメラやLiDARに対応すべく、完全自動のセンサークリーニングシステムのラインアップを開発した。
今回はカメラ用、レーザースキャナー用、ヘッドランプに内蔵されたLiDAR用の3種のセンサークリーニングを展示。冬季に氷雪を溶かすためのヒーテッド機能を搭載することも可能という。レーザースキャナー用のセンサークリーニングは、20年からドイツの主要カーメーカーの車に搭載される予定。

●48V P2オフラインハイブリッドモジュール

電動化について、 ヴァレオはさまざまなタイプの車両に搭載可能な48Vテクノロジーの四つのイノベーションを日本で初展示する。
この軸方向をコンパクトにして搭載性を高めた48V P2オフラインハイブリッドモジュールもその一つ。ほとんどのFFレイアウトの車両に互換性があり、AT、CVT、DCT、MTに対応可能。このモジュールには、エアコン用コンプレッサーとベルトレスモータージェネレーターが統合されており、自動車の停止時にエアコンを動かし続ける際、コンプレッサーを電動モーターで作動させることができ、電動コンプレッサーではなく従来型の廉価なコンプレッサーが搭載できる。

●48V 電動リヤアクスル・ライト

これは48Vギアボックスモーター・ジェネレーターをベースにしたフル推進システムであり、ピーク時最大19kW、連続時12kWまで対応でき、軽自動車、欧州のL7e規格クラス、中国のLSEVなどの重量1.2tまでの車両に装備するのに適している。重量が軽く(25kg以下)、サイズもコンパクトなので車両に搭載しやすい。

●48V ベルト駆動式電動アクスル

これはベルト駆動式スターター・ジェネレーターをベースにした、インバーターと減速機を組み合わせたフル推進システムで欧州のL6e規格クラス、電動スクーターやアジア市場の電動三輪車など最大重量700kgまでの車両に装備するのに適している。モジュラー式プラットフォームとして設計されているため、上級アプリケーション向けに高出力にアップグレードすることが可能。同社では19年末に量産を開始する予定だ。

●車載充電器

この車載充電器は、48VシステムのバッテリーEVやプラグインハイブリッドの外部充電用に車両に搭載される充電器。DC/DCコンバータを組み合わせた特許取得済の構造を採用している。GaNテクノロジーを使用した第2世代では、電力密度と効率が向上しパッケージの小型化を実現した。

●高電圧電動アクスル

高電圧のソリューションとして、ヴァレオ・シーメンスeAutomotiveの高電圧電動アクスルを日本で初めて展示する。出力100kWのモーター、インバーター、減速機を一体型にした新しい電動アクスルプラットフォームで、モーター、インバーター共用の水冷システムを備えた統合型電動アクスルプラットフォームであり、幅広いパワーレンジとさまざまなドライブトレイン構成に対応が可能。

●軽量ボルスター

 軽量化は、二酸化炭素排出量を削減するもう一つの方法ですあり、同社はスチール品と比較して重量を30%削減可能な複合材料オーバーモールドオルガノシートを使用した軽量ボルスターを開発した。この軽量ボルスターは十分な剛性と強度を持ち、スチール製のボルスターと同等の衝撃吸収能力も備えており、安全性においても遜色がない。