メルセデス・ベンツA180、クルマに求められる基本性能と先進性が高次元で融合

試乗レポート

6年ぶりに刷新され4代目となったAクラス。新開発の対話型インフォテイメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」をメルセデス・ベンツとして初搭載したことが大きな話題となっているが、ダウンサイジングしながら出力を向上した1.4Lエンジンや軽量化ボディの採用で、走りの面も大幅に質感を向上させた。

エクステリアは、低全高でスポーティな先代モデルのデザインを踏襲。一方、インテリアはモデルチェンジを機にその姿を変え、中でも2枚横に連なる形で備わったTFT液晶モニターが存在感を放つ。左画面にはナビやオーディオ、右画面にはメーターが表示されるだけでなく、自分好みのカラーやデザインを選ぶこともできる。加えて、これらがステアリングを握った状態でスマートフォンのような感覚で操作できるのも好印象だ。

 

注目のMBUXは「ハイ、メルセデス」をキーワードとして起動し、目的地設定、通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報といった多くのインフォテインメント機能の操作が可能。さらに、空調、照明等も調整を音声で行え、例えば空調温度を下げる場合、「温度24℃」という明確な命令ではなくても「暑い」と言えば、空調を1度下げてくれるので、試乗中はインパネのボタン操作をすることはほとんどなかった。

今回の短期間試乗では体感できなかったが、AIの学習機能によって特定のユーザーに適応する個別対応能力を備えており、クラウド上のソフトウェアモデルによって新しい流行語を覚えたり、時代による言葉の用法の変化も学習する。使えば使うほど賢くなり、使い勝手が高まる機能は今までのクルマにはない装備といえる。

■実用域での俊敏性に優れる1.4Lエンジン

パワートレーンは、先代の1.6Lターボから、ダウンサイジングしながら出力を14PS向上した1.4Lターボ(最高出力136PS/最大トルク200Nm)に変更。これに、7速DCTを組み合わせる。

1.4Lターボエンジンは平均的なスペックだが、1460-4000rpmという広範囲で最大トルクを発揮し、軽い踏力でも優れた加速を見せる。特に発進から中速域までの淀みない加速と、軽快感あふれる走りは新型Aクラスの走りでの大きな特徴のひとつで、実用域での使い勝手が非常に高い。高速域では小排気量ゆえの加速の頭打ちが見られるが、不満を覚えるレベルではなく、どのシーンにおいてもコンパクトモデルとして十分な走りを見せてくれた。

また、基本的なハンドルの操舵感は適度な重さを残しながら、クセも無く素直なので扱いにくさは皆無。しなやかな回頭性と接地感によってもたらされるクルマとの一体感は、同セグメントの中でもトップレベルにある。

一方、乗り味に関しては硬質で、かなりスポーティな味付けになっている。路面によっては身体に響くような突き上げも感じられ、街乗りメインや奥様の2台目としてのニーズを考えると、もう少しソフトで乗り心地重視のセッティングがあっても良いと思う。

先代モデルは室内の狭さが弱点だったが、新型はホイールベースを延長したことで後席の足元にも余裕が生まれた。加えて、外観の見た目から想像される以上に頭上空間にもゆとりがあり、身長177cmの筆者が座っても窮屈さを感じることは無く、ファミリーユースとしての素養も十分に持ち合わせている。

先進安全装備は、Sクラスと同等の装備をオプション設定。車間距離だけでなく、システム起動時に高速道路上で自動停止した場合、30秒以内であれば自動再発進が可能で、試乗時渋滞に巻き込まれた時には非常に重宝した。

また、アダプティブクルーズコントロール作動時の加減速制御はいずれも極めて自然なフィーリングで、不安や恐怖を感じさせなかった。同乗者は何も言われなければ気づかないといって差し支えないレベルだ。

メルセデスのエントリーモデルとして、高い実力を見せた新型Aクラス。これをベースにし、今後日本にも投入が予定されているディーゼルモデルやハイパフォーマンスモデルにも期待が持てそうだ。

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