BMW3シリーズ試乗、分厚いトルクで低速域から力強い加速

試乗レポート

7年ぶりにフルモデルチェンジされたBMW3シリーズ。7代目となる新型はスポーツ・セダンの新たなベンチマークとなるべく、走行性能を大幅に向上させたことを大きな特徴としている。

今回試乗したのは上級の330i M Sport。直列4気筒の2Lターボエンジンを搭載し、最高出力258ps、最大トルク400Nmを発揮する。スペックからわかる通り、トルクがディーゼルエンジン並みに厚いのが特徴だ。実際に走らせてみても極低速域から力強く、ディーゼルライク。しかし高回転域まで軽々とスムースに回転が上がるのは、やはりガソリンならではの心地よさである。

 

パワーそのものは余裕があるが、その出方はややマイルドで扱いやすい。一定の回転域から突然パワーが立ち上がるという事はなく、アクセルの踏み量に応じて素直にパワーが出て来るので、街中でもワインディングでも安心してドライブすることが可能だ。

乗り心地そのものは硬質。最近のセダンはやや硬めのセッティングとするものが多いが、その中でも硬い方だ。ショックのアタリそのものはソフトなのだが、路面の振動がはっきりとシートに伝わってくる印象である。スポーツ走行向けのMスポーツ専用サスペンションを装着するのに加え、19インチのランフラットタイヤを履かせていることも影響しているのだろう。

ただし高速域では、このしっかりとした足回りが真価を発揮する。路面をガッチリと掴み、そのままトレースするような感覚だ。ステアリングへも路面の情報が過不足なく伝わってくるので、安心して運転に集中することができる。ステアリング操作への反応も早くかつ正確。曖昧なところがないのも好感が持てる。

室内空間は、先代に比べてほぼ同等というところ。シートがしっかりと体を包み込む感じもあってややタイトに感じられるが、操作系が一新され、すっきりと再配置されたこともあり、使い勝手はよい。また素材の使い方もうまく、質感も向上している。

一方、装備が充実したことも注目ポイント。新型3シリーズは全幅が1800mmを超えたが、その代り後退時に便利なリバース・アシスト機能が新搭載された。これは車両が直前に前進したルートを最大50mまで記録し、正確に同じルートでバックして戻ることができる機能。狭い駐車場に入ったはいいが、奥まで満車だったのでバックで戻る、といった時に重宝するだろう。ステアリング操作はクルマに任せ、ドライバーはブレーキの操作に専念できる。実際の操作は極めて簡単で、バックする際にディスプレイ上のボタンを押すだけだ。

もう一つ、目玉となるのが音声認識機能。「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント(BMW Intelligent Personal Assistant)」と呼ぶ車載AIアシスタントだ。メルセデスのMBUXが「ハイ、メルセデス」で起動するのに対し、こちらは「OK、BMW」で起動するが、「OK、BMW」を別の言葉に置き換えることも可能となっている。それは楽しい仕掛けだが、実際に操作してみると、もう少し熟成が必要かな?というのが正直なところ。音声の聞き取り精度があまりよくなく、同じコマンドを何度か聞き返されたりする。また応答速度も少し待たされる感じ。AlexaやGoogleアシスタントに慣れたユーザーだと、若干イライラするかもしれない。が、音声でコントロールできるのは便利なのは確か。今後の進化が楽しみなところである。(鞍智誉章)

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