BMW・X2「xDrive20i MスポーツX」試乗

試乗レポート

BMWのラインアップは奇数がメイン、偶数がコンセプト的な内容を持つモデルとなっている。Xシリーズも同様で、X1、X3、X5がいわゆるSUVらしいスタイルとする一方、X4、X6はクーペ調のボディを採用し、BMWではこれをSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)と称している。

今回新たに導入されたX2は、車名を見ればわかる通り、このSACのライン。だがBMWはX4をそのままダウンサイジングしたスタイルとせず、それとは異なるキャラクターをX2に与えた。全体を一見してわかる最も大きな違いはルーフラインで、X4、X6がボディ後端を下げたクーペらしいスタイルとしているのに対し、X2ではフラットな形状としており、このためあまりクーペ的には見えない。どちらかといえばハッチバックベースのクロスオーバーといった方がしっくり来るスタイルである。

そんなX2だが、ルーフを下げない分、後席、荷室とも広く居住性は良好だ。特に後席は頭上スペースにもゆとりがあり、乗り心地も快適。ロングドライブにも十分満足できるパッケージングである。

また全高が1535㎜とSUVとしては低いのも特徴である。このため一般的な機械式駐車場に入れることが可能なのはもちろん、重心高が低くなるため、走りの面でも旋回時にかかるGが少なく、機敏な走りを可能としているのは大きなメリットといえるだろう。

搭載するエンジンは1.5Lの直3ターボと、2Lの直4ターボ。このうち今回は最高出力192psの2L直4ターボを搭載する「xDrive20I M SPORT X」に試乗。低回転域から力強く、かつ高回転域まで気持ちよく回るエンジンだ。

試乗車はオプションの20インチタイヤを装着していたため、コツコツした硬めの乗り心地を予想していたが、実際に乗ってみるとそれほどでもなく、乗り味は上質で快適性が高い。室内の静粛性は高く、足回りはしなやかで過度な味付けが感じられないのが好印象だ。ステアリングやブレーキへの反応も機敏すぎずダルすぎず、適度なバランスが取られている。このため高速道路ではもちろん、街中でも自然な感覚で運転しやすい。

スポーティなルックスに対して、かなり優しいクルマに仕上げられているから、ファミリーユースにも最適なモデルといえるだろう。実用性も高いので、X1と比べてスタイルの好みで選ぶのもありだ。(鞍智誉章)

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