家族で行こう! きままにクルマ旅(2018年7月 紙面掲載)
VW ポロで巡る 夏の伊豆半島イチオシ道の駅

レジャー ドライブ

文・写真:吉田直志(automobile columnist)

例年にない早さで梅雨も明け、夏本番どころか、一気に猛暑に突入。夏といえば、やはり海、海といえば、伊豆半島! ということで、今回は伊豆半島を巡るドライブへと出掛けることにした。ご存知のとおり伊豆半島といっても地域によって、風景も違えば、名産も少々違うなど、それぞれに特徴がある。今回は、様々な伊豆を愉しもうと、伊豆半島にある道の駅を巡ることにした。ドライブに連れ出したのはフルモデルチェンジしたばかりのフォルクスワーゲン「ポロ」だ。

伊豆半島にある道の駅は全部で8カ所。最南端の下田市から、伊豆の中心、さらには西伊豆、東伊豆と、各所にあり、その地域の特徴を上手く生かした内容となっており、それぞれに魅力がある。そのすべてを巡り、紹介したかったのだが、都心からの日帰りドライブと考えると非現実的であることから、今回は、これまでに紹介したことのない、6カ所を巡ることにした。

伊豆の魅力を集めた、まさに伊豆の玄関口的な存在である「道の駅 伊豆ゲートウェイ函南」

ご存知のとおり、最近、伊豆半島は、伊豆縦貫自動車道の建設によって、以前のような伊豆半島の道=渋滞といった印象は少なくなった。まず、向かったのは「道の駅 伊豆ゲートウェイ函南」。東名、新東名と接続している伊豆縦貫自動車道(東駿河湾環状道路)の終点である函南塚本ICと、修善寺道路までの連絡区間にあり、都心からのアクセスはまさに下道を走らぬままに到着したといった印象を抱くほど。昨年5月に開駅したばかりで、今風のモダンテイストの建物を特徴とするが、そこには伊豆半島を集めた物産直売所のほか、サイクリストが気軽に立ち寄れるカフェ、伊豆創作寿司などがある。また、すぐ隣には山本食品の三島ワサビ工場があるほか、以前紹介した、明太子でお馴染みのかねふくめんたいパークも建設中(12月13日オープン予定)。今後、伊豆半島のマストスポットになりそうだ。

このコーナーでも幾度か紹介している「道の駅 天城越え」。名産のわさびや、猪や鹿肉を使った郷土料理を味わえる

そのまま修善寺道路(有料)を南下していくと、木々が多い風景へと変わり、やがて「道の駅 天城越え」が見えてくる。ここは幾度か紹介しているが、天城の自然を生かした道の駅で、わさびといった特産物販売所はもちろん、天城の自然を学ぶことができる「昭和の森会館」を併設している。

その後は、やがて下田を終点とする河津下田道路を介して完成する伊豆縦貫自動車道の工事現場を目にしながら、国道414号線を南下する。しかし、下田へは直接向かわず、海を見ながらのルートをいち早く走りたかったので、河津経由のルートを選び、海岸線へと出た。

伊豆半島最南端にある「道の駅 開国下田みなと」。目の前には魚市場がある/同駅にある「カフェ&ハンバーガー ラーマル」にて、金目鯛のフライを使った下田バーガー(1000円)

伊豆の最南端にある道の駅「道の駅 開国下田みなと」は、下田港の目の前にあり、3階建ての立派な建物に様々な店舗が集まっている。この下田だけでも丸一日を愉しめるスポットがあるのだが、今回は、金目鯛のフライを使った下田バーガーを食しただけで、次の目的地「下賀茂温泉 湯の花」へと向かった。ここは、こぢんまりとした道の駅だが、物産販売所はもちろん、足湯を楽しめることがポイントとなっている。

下賀茂温泉にある「道の駅 下賀茂温泉 湯の花」。足湯や手湯はもちろん、物産直売所も魅力

その後、西伊豆の海岸線を走り「道の駅 花の三聖苑伊豆松崎」へ。これまでの道の駅とは雰囲気が異なり、松崎町の歴史や文化を、当時の建物などを移築した建物などを利用して紹介している。いってしまえば、最新の道の駅のような派手さはないが、その分、ゆったりとした時が流れており、個人的には伊豆半島の中ではいちばん好きな道の駅だ。

松崎地域の文化や歴史を愉しめる「道の駅 花の三聖苑伊豆松崎」。日帰り入浴施設もあり。裏手の川では鮎のつかみ取り体験も行われている

そのまま、海岸線を北上し、「道の駅 るら戸田(へだ)」へと到着。開駅は2015年と比較的最近で、ここには、物産販売所や日帰り温泉施設のほか、市役所出張所や自治会館まで併設されている。

深海魚料理から温泉まで、西伊豆らしさを揃えた「道の駅 くるら戸田」

その後、西伊豆の夕暮れを見ようと山へと上ったが、残念ながら雨雲と霧に覆われて、数m先がまったく見えぬ状況。晴れた日には富士山と駿河湾を見渡せるスポットだけに、とても残念だった。

今回、ドライブに連れ出したフォルクスワーゲン  ポロは、MQBプラットフォームを採用したことで、そのクオリティをベーシックからスタンダードへと一気に高めていた。もう少し煮詰められたら、完璧になるのになと感じた部分もあるが、もはや、過去のエントリーモデルたるポロというイメージはそこにはない。

新型ポロは全長4060mm、全幅1750mm、全高1450mmと5ナンバーサイズをオーバーしたが、その分、キャビンスペースにゆとりが生まれている

トータル燃費は17.8km/Lだったが、これは写真撮影のために伊豆の山を上ったり、下りたりを繰り返していたため。逆にいえば、上り坂でもグイグイ上って行くパワフルな走りをしながら、これだけの燃費を記録したことは、驚きだった。

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ドライブデータ

試乗車=フォルクスワーゲン ポロ TSIハイライン
パワーユニット=直列3気筒999cc、ガソリンターボ、FF、7速DSG
乗車定員=5名
全行程走行距離=約450km

立ち寄りスポット[マップコード]

・道の駅 伊豆ゲートウェイ函南[116 546 644*63]
・道の駅 天城越え[248 680 238*71]
・道の駅 下賀茂温泉 湯の花[633 224 490*46]
・道の駅 くるら戸田[650 184 142*10]

※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。

プロフィール
吉田直志/automobile columnist
四輪駆動車専門誌、デジタルカルチャー誌の編集部を経て、フリーライターに。現在は新型モデルの評価を軸に、自動車雑誌のほか、ファッション誌にも寄稿。

(本稿は2018年7月に新聞「週刊Car&レジャー」に掲載)

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