ボルボXC60試乗、ディーゼルであることを感じさせない高い静粛性

試乗レポート

最上級モデル「90シリーズ」に続き、フルモデルチェンジで新プラットフォーム「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」を採用した「XC60」。昨秋からガソリンモデルは発売されていたが、待望の2・0ℓディーゼルモデルの納車が先日開始され、早速試乗する機会が与えられた。

XC60にはパワートレーンは三つ用意されるが、今回試乗したのは直列4気筒2・0ℓディーゼルターボ(最高出力190PS/最大トルク400Nm)の「D4」。試乗車は走行モードに応じて車両特性だけでなく車高も変化するエアサスペンション(オプション)を搭載したモデルで、デフォルトで走り始めてみると乗り味はコンフォートというのが第一印象だ。

走行モードはガソリンモデルと同様にノーマル、エコ、ダイナミックを設定。ノーマルやエコでもアクセル操作に対するレスポンスに不足は感じられないが、スポーティなダイナミックモードに切り替えるとハンドルの操作感も増し、淀みない加速性能でスポーティな一面も見せる。走行モードを切り替えることで、コンフォートで軽快という印象から、スポーティで重厚感のある走りまでしっかりと対応する。

ディーゼルエンジンは、1750-2500rpmという常用域で最大トルクを発揮するので、どのシーンにおいても扱いやすく、1900㎏を超える車重を感じさせない軽快な走りを味わえる。 さらに、車外やエンジン始動直後はディーゼルらしいエンジン音が若干聞こえるが、アイドリング時の振動もなく、運転中はどの車速においてもディーゼルモデルであることを感じさせない。加えて、組み合わされる8速ATのシフトショックもほぼ無く乗り心地もフラットなので、車室内の高い静粛性と快適性は特筆すべきポイントだ。

また、アダプティブクルーズコントロール作動時の加減速制御はいずれも極めて自然なフィーリングで、不安や恐怖を感じさせなかった。同乗者は何も言われなければ気づかないといって差し支えないレベルになっており、以前にも増して加減速の制御が人間の操作感覚に近づいたという印象を受けた。

今回は高速道路のわずかな区間でしか試すことが出来なかったが、長距離ドライブでは間違いなく運転者の負担軽減の一助になる機能といえる。

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