三菱電機は2月8日、クルマから光を路面に投影することで周囲の車両や歩行者に車両の挙動を伝え、事故を未然に防ぐ自動車向け「安心・安全ライティング」技術を改良し、公開した。
同技術は昨年10月、路面に投影した光で車の後退時やドア開けを知らせるライティング技術として発表されたが、今回は2020年の実用化を目指し、新たな技術を搭載した。
具体的には、「アニメーションを利用した悪天候時でも判別しやすい表示」、「ドア開け・後退時に車外センサーと連動してより注意を喚起する表示」、「表示図形の見え方を検証できる設計ツール」という三つの新技術が加わっている。
(積雪時でも判別しやすい表示)
中でも、特徴的なのが「ドア開け・後退時に車外センサーと連動してより注意を喚起する表示」だ。リヤバンパーに搭載されたバックソナーを利用し、センサーの検知領域に入った歩行者に対して、路面に投影した図形を点滅させて注意を促す。歩行者は、路面の表示図形を避けて歩くことで、ドアが突然開いてもぶつかることはなく、避けられるスペースが確保されるようになっている。また、センサーの検知領域に歩行者が入った場合は、運転席のドアノブ近くのライトも点灯させることでドライバ―にも注意喚起する。
(ドアノブ近くのライトを点灯させることでドライバ―にも注意を促す(左)、ドアミラー等に路面投影用のLEDライトを搭載)
このほか、「表示図形の見え方を検証できる設計ツール」では、実車搭載前に路面に表示する図形の見え方をさまざまな角度から検証できるほか、表示図形や点滅スピードといった各種デザインが行える。主に自動車メーカーなどが利用するツールとなっている。
加えて、車両に搭載される路面投影用のライトは汎用的なLEDを使用し、低コストで実現できるという。すでに自動車メーカー数社との話し合いも始まっており、2020年に向けてより一層の進化が期待される。