日産 エクストレイル、ハイブリッドがもたらす力強い走りに進化したプロパイロット【試乗記】

試乗レポート

2013年12月にデビューした3代目の日産・エクストレイルが、先日大幅なマイナーチェンジを実施。内外装のブラッシュをはじめ、高速道路同一車線自動運転技術「プラパイロット」を搭載し、その魅力を一段と高めるとともに大きな注目を集めている。

エクステリアは、日産デザインを象徴する「Vモーション」を一段と強調したフロントマスクが精悍さを主張。黒基調のインテリアは、インパネ一部分の意匠やステアリングホイールのデザイン変更等で、上質感が漂う空間に仕上げられた。

パワーユニットは、ガソリンエンジンとこれにモーターを組み合わせたハイブリッドの2タイプ。両者ともに2・0ℓエンジンを搭載し、ハイブリッド車の場合はリチウムイオン電池を電源とするモーターが組み合わせで、今回はハイブリッドモデルに試乗した。 モーターのアシストが加わるハイブリッドの走りは力強く、特に高速での合流、追い越し車線や登坂路での走行ではそのパワーを実感できる。

また、乗り味は基本的にフラット感が高く、道路の継ぎ目を走行したときのショックも最小限に抑えられ、快適性が高いのも好印象。ステアリングに対する挙動も素直なので扱いやすく、SUVモデルとしては重心も低いので、カーブでは安定感の高い踏ん張りの効いた走りを見せてくれる。

  

(シートアレンジもしやすく荷室の使い勝手も向上(左)、ハンドル形状をDシェイプに変更した)

さらに、不整地の段差や小さな岩や石のある河原では、車体の上下の動きを予測し、エンジン(駆動力)とブレーキを制御することで車体振動を低減する「インテリジェントライドコントロール」によって、路面状態から想像する以上に車体に伝わるショックを少なくしており、初代以来の悪路走破性はさらに磨きがかけられている。

今回のマイナーチェンジで最大のトピックなっているプロパイロットは、第1弾モデル「セレナ」と機能はほぼ変わらないが、その感触は別物になっていた。パワートレーンや車重、ボディタイプが異なるので一概に比較し難いが、セレナで感じられた加速の緩慢さは無い。また、操舵介入が強く〝自動運転〟と強調するかのようなハンドリングも、人間が運転する感覚に近づいており、さらに使いやすく進化していると感じさせられた。

加えて、加減速制御はいずれも自然なフィーリングで、減速においては前走車の寸前までシステムがブレーキをかけず、我慢できずにドライバーが先にブレーキを踏んでしまうということがほとんどなく、減速で不安や恐怖を感じさせなかった。長距離ドライブでは、ドライバーの疲労軽減の一助となるだろう。

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