トヨタ・C-HRプロトタイプ試乗 デザインと走りにこだわったTNGA第2弾モデル

試乗レポート

年末に発売が予定されているコンパクトクロスオーバー、トヨタ・C-HRのプロトタイプをクローズドコースでドライブすることができた。チーフエンジニアがこのモデルのかける思いや、これまで逐次リリースされてきた数々の情報、そして二つのパワーユニットがもたらす走行フィーリングを五感で確認することができた。

C-HRは、プリウスで初めて採用されたトヨタの新しいクルマ作り、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクシャー)の第2弾である。この部分だけ聞くと、プリウスのクロスオーバー版? と思われがちだが、まったくの別物。骨格部分はC-HR用に作り変えた部分もあるし、ザックス製のショックアブソーバーを採用するなど足まわりも異なる。

C-HRの第一印象は、全長はコンパクトだが、背が高く、なおかつどっしりとした印象。直方体の塊から削り出されたような形で、平面と曲面、線が明確で立体感にあふれ、なおかつ四つのフェンダーの膨らみを強調。こうしたディテールからも、どっしりとした印象を受けたのかもしれない。 実際の寸法は、全長4360㎜×全幅1795㎜×全高1550㎜(4WDは1565㎜)で、背が高い印象を受けたが、実際には多くの立体駐車場も使える寸法に収まり、全長はプリウスより18㎝短く、全幅はクラウンとほぼ同じだ。

■〝デザイン〟と〝走り〟を重視して開発

そして何より、面、膨らみ、削り取った部分が明確で、デザイナーが描いたスケッチがそのまま商品化されたような、大胆なデザインにも驚かされた。

古場博之チーフエンジニアによると、コンパクトSUVのユーザーはスタイルの良さ・外観、運転を楽しみたいという点を最も重視することから、何よりも〝かっこいい〟デザインを追求。かつ、グローバルモデルとして各国の異なる道路環境にも順応できるよう、ドライバーの思い通りにクルマが動くこと、車速、横G、路面状況を問わずクルマの応答が常に一貫する走りを目指し開発したという。

各部を見ると、サイドビュー、リヤ、クルマを真上から見下ろした時…各部にダイヤモンド(菱型)をモチーフとして取り入れられるほか、シート表皮やインパネなどのスイッチスベースの形状、天井やドアパネルの型押しの模様などもダイヤモンドで、デザインへのこだわりが感じられる部分。

内装色は、上級グレード=ブラウン+ブラック、スタンダード=ブラックといずれも落ち着いた色合いで、インパネはピアノブラックの艶に自己主張しすぎないメタルの輝き、ソフトパッドの滑らかな手触りが組み合わさり、上質な雰囲気に包まれている。

しかも、コンソールパネルは非対称。ナビゲーションのモニターやエアコンスイッチ、センターコンソールのシフトノブ、トレイなどはドライバーの方へ向き配置され、操作性・使用性を向上。ドライバーが運転に集中できるように配慮されている。

■あらゆるシーンでドライバーの要求に応答

パワーユニットは1・8㍑ガソリン+モーターのハイブリッド(FF)と、1・2㍑ガソリンエンジン+ターボ(4WD)の設定。オーリスに続く〝ダウンサイジング〟ユニットの採用も注目だ。

 

(左:1・8㍑ガソリン+モーターのハイブリッドユニット、右:1・2㍑ガソリンエンジン+ターボ)

試乗コースはワインディングコースを模したもので、起伏に富み、下り坂でブレーキング、コーナー、一転して上り坂で大きくアクセルを踏み込む、といったシーンも多い。また、段差通過、路肩走行などのシーンも設定されている。

結論からいうと、ハイブリッド/ダウンサイジングターボといったユニットの違いはあるものの、共通しているのは刻々と変わる状況で、ドライバーの動作(減速、曲がる、加速)に、タイムラグがなくクルマがしっかりと答えてくれること。ブレーキ踏み込み量に応じた期待通りの減速と安定感、軽すぎず節度のあるステアリングでクルマの向きを変え、もたつかず加速…やや高めのヒップポイントながら、コーナーで無駄なロールも抑えられクルマが安定しているのは言うまでもない。

段差通過は路面の継ぎ目レベルと、歩道から道路に降りるような2種類の〝落差〟を体験。いずれもゴトンと1回で収まる。ドライブモード=スポーツだと、ダンパーの吸収が強まるのか、落差の小さい段差はあまり感じられなかった。

  

また、フル加速の場面では、ハイブリッドは電気的に間髪入れずに始まるモーターアシスストで、ドライバーの意思とピッタリシンクロ。ダウンサイジングターボもピックアップが良く、まったく不満はなかった。

もう一つの特筆は、運転席からの視界に優れること。ヒップポイントの高さによる部分もあるが、運転席からピラーが細く見え、三角窓の設置もあり隅々まで良好な視野が得られる。シートも乗員の肩から両脇までしっかりサポートするスポーツタイプで、こうした細かな部分でもドライバーにストレスを感じさせない、ロングツーリングも快適にこなせるモデルだ。

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