レヴォーグの魅力を最大限に引き出した「レヴォーグSTIスポーツ試乗」

試乗レポート

レヴォーグの最上級グレード、レヴォーグSTIスポーツは、富士重工業と同社のモータースポーツを統括しているスバルテクニカルインターナショナル(STI)による共同開発車。ノーマル車をベースに走りのパフォーマンスを向上させたほか、専用の内外装デザインを採用し、レヴォーグの魅力を最大限引き出した。

STIは、ベースモデルに手を加えることでハイパフォーマンスなコンプリートカーを少数生産し、世に送り出してきた。しかし、レヴォーグの場合は、共同開発のためベースモデルと同じラインで生産されるカタログモデル。これにより、従来のSTIのコンプリートカーのような限定生産や、それゆえの高めの価格設定はなく、誰もがSTIの乗り心地を味わえるモデルといえる。

レヴォーグSTIスポーツは、ベースモデルと変わらず1・6ℓと2・0ℓの2タイプを設定。今回は、最高出力300PS/最大トルク400Nmを発揮する2・0ℓに試乗した。

STIモデルと聞くとスポーツ色をぐっと高めた仕様のように考えてしまうが、レヴォーグではスポーティな走りだけでなく、デザインと乗り心地とのバランスも考慮するなど全方向に性能が高められた。

エクステリアは、STIのロゴを与えた専用デザインのフロントフェイスでより精悍さを増し、スポーティな18インチアルミホイールを装着。シックなボルドーカラーでコーディネートされた室内は大人の雰囲気を創出し、STIロゴ入りの専用メーターを取り入れるなどベースモデルにはなかった上質感をまとっている。

 

気になる乗り味は、走り出しから軽快感があり、さらにアクセルを踏み込めば力強いトルクが心地良い直線的な吹きあがりをみせた。足回りは、しっとりとしたしなやかさを持ち、低速域から高速域にかけてフラットな乗り心地を維持。専用チューニングを施したビルシュタイン製サスペンションが路面の凸凹を乗り越えたときの尖った衝撃を巧みに吸収している。さらに、ベースモデルと比べロードノイズもかなり抑えられ、静粛性のレベルも高い。普段の買い物といった街乗りから週末のレジャーまでシーンを選ばず使えるのは大きなポイント。

それでいてSTIの本懐であるスポーティな走りを十分に体感できるのが、このモデルの最たる特徴だ。ステアリング操作にクイックに反応する回頭性の良さや、クルマに無駄な動きがなく狙ったコースをオンザレール感で走れるコーナリング性能が、ドライバーに気持ちのいい走りと安心感を提供している。レヴォーグSTIスポーツは、家族と一緒にロングドライブを楽しむことも、1人でワインディングロードを楽しむことができる高いポテンシャルを備えているモデルだ。

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