スポーツセダンのような軽快感ある走り メルセデス・ベンツ E200 アバンギャルドスポーツ 試乗記

試乗レポート

〝未来型Eクラス〟をキャッチコピーに、将来の完全自動運転にさらに近づく安全運転支援システム「ドライブパイロット」など、安全性を高める先進技術が数多く採用された新型Eクラス。走りの面でも軽量化ボディや9速ATの採用などで、大幅に質感を向上させている。

 

ドライブパイロットは、ステレオカメラとレーダーセンサーによって全車速対応のアダプティブクルーズコントロール(ACC)とステアリングアシスト付きのレーンキープを行ない、渋滞中でも先行車が30秒以内に発進すれば追従。さらに、ACC作動中にウィンカーを出し、安全と確認できたら自動で車線変更を行なう「アクティブレーンチェンジングアシスト」など、このほかにも紹介しきれないほどの安全装備が搭載され、その内容は現在国内で販売されるクルマの中では最高の水準と言える。

試乗当日はかなり強い雨に見舞われたが、ドライブパイロットは問題なく作動。他のステアリングアシスト搭載モデルでは、車線の中央を維持しようと緩いジグザグ運転のような挙動がまれに見られるが、Eクラスではそのような動きがなく自然に車線中央を走行し、運転していて不安を覚えるようなことは無かった。

一方、アクティブレーンチェンジングアシストは、人間の感覚では車線変更できるスペースがあると思ってもクルマが安全と判断しないような制御だったので、首都高のような交通量の多いシーンでは作動しなかったが、その後走行した交通量の少ない郊外の高速では作動。反応も予想以上にクイックかつ自然なものだった。

充実した安全装備だけでなく、クルマとしての基本性能も高い水準にある。走り出してみると滑らかで静かというのが第一印象。試乗車のアバンギャルドスポーツは19インチのランフラットタイヤを装着しており固めの足回りを予感させたが、乗ってみるとそれらを感じさせない車室内の静粛性の高さとフラットな乗り心地は特筆すべきポイントだ。

また、通常時は2速で発進し、スポーツモードで1速から発進する9速ATのシフトチェンジも非常にスムーズで、メーターの表示ではシフトアップしていても、ギアが変わっているという体感はほぼない。最高出力184PS、1200~4000rpmという広範囲で最大トルク300Nmを発揮するエンジンは、9速ATの細かい制御と相まって必要なトルクがどの回転域からも出るので、どの速度域でも軽快でゆとりのある走りが特徴。重厚感あるサルーンというより、軽快感あるスポーツセダンを操っている感覚だ。

 

大きな変更が無かったエクステリアに対して、インテリアはモデルチェンジを機にその姿を変え、中でも2枚横に連なる形で備わった12・3インチの大型TFT液晶モニターが存在感を放つ。左画面にはナビやオーディオ、右画面にはメーターが表示されるだけでなく、自分好みのカラーやデザインを選ぶこともできる。さらに、これらがステアリングを握った状態で、スマートフォンを使っているような感覚で操作できるのも、乗れば乗るほどに実感できる使い勝手の良さだと思う。

メルセデスの基幹モデルらしい高い実力を見せた新型Eクラス。これをベースにし、今後日本にも投入が予定されているディーゼルモデルやハイパフォーマンスモデルにも期待が持てそうだ。