【車屋四六】バセロンコンスタンチンとダイムラーベンツ

コラム・特集 車屋四六

バセロンコンスタンチン(近頃フランス流にバシュロンコンスタンタンとも)を知ってる人は時計通、高級時計に詳しい人だ。

バセロンとベンツには共通点がある。時計と自動車の世界で、共に世界最古の歴史と、高級高品質だけを造り続けて廉価普及品がないということ、そして二人名前ということである。

だが、ベンツが21世紀への生き残りをかけて、大衆車市場に首を突っ込み始めているのは気がかりだが。(この記事96年掲載)

さてダイムラーベンツとは、ダイムラーとベンツ合併で生まれた会社。ゴットリーブダイムラーの世界初ガソリンエンジン開発成功は1883年で、85年に二輪車完成、86年に四輪車へと進化する。

一方、ダイムラーより数ヶ月遅れでエンジン開発に成功したカールベンツの三輪完成は1886年で、1903年四輪車に進化する。

そんな経緯はあるが、両社は1926年に合併するので、世界最古の自動車メーカーをダイムラーベンツとして良いのでは。

時計は紀元前3500年前頃、エジプトでオベリスクの陰で時間をというのだから古い(日時計)。その後、水、砂、ローソク、線香等々多種多彩。ゼンマイ登場の16世紀に振り子も登場、19世紀初頭には腕時計が登場している。

女用バセロンコンスタンチン・18金イエローゴールド・ミラネーゼ型ブレスレット

18世紀時計の本場はイギリスで、スイス製は安物という印象。それを覆したのがバセロン。天才職人ジャンマルク・バセロンの会社創業は1755年/宝暦5年のこと。スイス時計王国の始まりである。

19世紀に入った頃、有能な実業家フランソワ・コンスタンチンが共同経営者となり、バセロンコンスタンチンと社名変更。

ベンツの前にオーストリアの実業家エミール・イエリネックが現れたのと似たケースである。ロールス+ロイスもまた同じ。

どれも天才技術屋と経営にたけた金満家とのコンビである。

20世紀初頭、自動車業界は製品の優秀誇示のためにレースに熱中していた。レース好きのイエリネックは宿敵パナールルバッソールに勝てる車という条件でダイムラーに発注し、念願を果たす。

優れた車には客が群がる。で、イエリネックは販売を思いつき大量発注、その車に11歳になる愛娘メルセデスの名を付けた。

結果ゴツイ名前のダイムラーより、評判が良いメルセデスをと、ダイムラー社は1902年に商標登録をする。

やがて両社合併。誕生したダイムラーベンツ社は、商用車をダイムラーベンツ、乗用車をメルセデスベンツと使い分けるようになる。

一方、コンスタンチンの方は、全行程を一人でこなす高級時計造りで、品質向上能率アップを目指して工作機械を導入する。が、これが結果的に、スイスが時計王国になる基礎となるのである。

もっとも、今でも高級時計は一人の職人で造るのが伝統で、簡単な時計でも一個に六ヶ月と云っているから、高額になるのも致し方なかろう。複雑になれば、1年を越え、数年というのもあるそうだ。

写真のバセロンは、18金ホワイトゴールド・ブレスレットのメッシュドールシリーズ。日本ではロレックスが高級品の代名詞的存在だが、もちろん金無垢ロレックスより高額だ。

バブル時代の憧れ18金無垢ロレックス:男用デイデイトと女用デイトジャスト

以前本紙で紹介のパテックフィリップと並び、スイス高級時計の両横綱である。

1955年に米英仏ソ、4カ国首脳会議がスイスで開催された。このときスイス政府は、スイス最良の土産として、四首脳に贈呈したのがバセロンコンスタンチンだった。

そんな1955年、バセロンコンスタンチンは、創業200周年記念として、1.6㎜という世界で最薄ムーブメントを発表して、世界時計業界と時計フリークを驚かせた。

手作り故に年産6000個とも云われる少量生産の高級時計、高級ゼンマイ時計復活、流行の21世紀、是非一つ腕にはめてはみては如何かな。

ちなみに高級時計は手入れが大切。日常使用で5年、たまにはめる程度なら10年、そのサイクルでオーバーホールしておけば、一生どころか孫子の代、いや100年を超えて元気を保つ。

買うときに高いと思っても、100年で割れば安い買い物である。

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