基本性能を飛躍的に高めた 新型プリウス試乗

試乗レポート

ハイブリッドカーの代名詞「プリウス」が、6年半ぶりにフルモデルチェンジ。圧倒的な燃費性能40・8㎞(JC08モード)を誇る4代目プリウスが発売された。

1997年、初代プリウスは次世代環境車の先駆けとして、世界初の量産ハイブリッドカーとして誕生。続く2代目はさらに燃費性能を向上させ、ハイブリッドカーの先進性・機能性を形で表現するデザインコンセプト「トライアングルシルエット」を採用した。そして、それまでに培った技術を投入した3代目プリウスの大ヒットが、ハイブリッドカーを広く普及させたのは周知の事実だろう。ただし、3代目は燃費性能と引き換えに、走行性能や乗り心地、質感などクルマ全体として見ると不満が残るところもあった。

そこで4代目プリウスは、燃費性能をブラッシュアップしながらこれらの弱点を解消すべく、トヨタのクルマづくりの構造改革“TNGA”のもと、プラットフォームから一新。これにより“燃費が良いプリウス”ではなく、かっこよく、乗って楽しく、さらに“燃費がいい”クルマに仕上げられている。

試乗車にさっそく乗り込んでみると、3代目では気になっていたドアの開閉音も価格帯に相応しい重みのある音になり、これだけでも質の高さを感じられる。そして運転席に座ってみると、Aピラーの根元がすっきりしたことに加え、フロントカウルを62㎜低くしたことでコックピットからは広い視界が確保されていたのが印象的だった。

また、シートはクッションの素材や厚み、バネ特性を最適化したことで座った瞬間に「心地良さ」が感じられるほどフィット感がいい。これなら快適なドライビングポジションを維持しながらロングドライブも悠々とこなせそうだ。さらに、自然と視界に入るメーターは、ステアリングに備え付けられたスイッチで燃費履歴やバッテリー残量を確認できるほか、T-コネクトナビ9インチモデルを装着していれば、進行方向や速度など必要な情報を目の前のカラーヘッドアップディスプレイ内に表示することもできる。運転中の視線移動が少なくてすむのは嬉しいポイントだ。

パワートレーンは、3代目の1・8ℓ+モーターのTHSⅡを踏襲しているが、ハイブリッドシステムの小型軽量化や、バッテリーの高出力・高密度化などシステムは全て刷新されている。このためパワーそのものはあまり変化ないが、その出方がより洗練された印象となった。

特に心地良いのは発進時のナチュラルでスムーズな加速。アクセルの操作に合わせて自然にパワーが出てくるので、まったく違和感がない。そして走り出してみると、その安定感の高さに驚く。剛性が大幅に高められていたことに加え、バッテリーなどの重量物を低い位置に搭載することで重心高を下げ、リヤサスペンションをトーションビームからダブルウィッシュボーンへ変更したことで快適な走りを実現している。しなやかな足回りが路面の細かい段差などのショックをたくみに吸収し、コーナーリングでも横揺れを抑え、街中でも高速道路でも気持ちの良い走りを見せた。

さらに安心感を生み出しているのが、ブレーキのタッチだ。回生ブレーキ特有の違和感がなく、踏み始めから停止するまで踏込み量に応じて減速する自然なフィーリングは従来のハイブリッド車にはなかったものだ。

ドライブをより楽しみたい方には、進化したパワーモードがおススメ。シフトレバーの左側に設置されているドライブモードスイッチを押すことで「エコ」→「ノーマル」→「パワー」の三種類から走行モードを選択できる。パワーモードでは、アクセルレスポンスの向上に合わせ、ブレーキのフィーリングも変わるなど、クルマ全体がスポーツ寄りに変化する。プリウスの新しい楽しさを発見できるはずだ。

 

 

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