想像を超える進化を果たしたレクサスのコアモデル 【レクサス・RX試乗記】

試乗レポート

海外では1998年にデビューし、2009年から日本でもレクサス専用車種として販売が開始されたRX。北米ではレクサス販売の約30%を占めており、ブランドを体現するコアモデルの一つだ。そのRXが6年ぶりにフルモデルチェンジされた。

エクステリアは、先代モデルから全長120㎜、全高20㎜、全幅10㎜拡大され、ゆったりとしたスタイルになり、スポーティ感が高まった印象だ。加えて、ホイールベースは50㎜延長され、居住空間の拡大とともに伸びやかなプロポーションをもたらしている。また、リヤのクォーターウインドウは後端にいくに従って絞り込みを強くすることで、クーペのような精悍さを与えている。

 

インテリアもレクサスらしい上質な空間に仕上げられた。インパネ周りの各部位の素材の質感が美しく融合することで、造形に深みを付与した。ワイドなナビ画面やその操作部の配置も工夫が凝らされ、機能性の面でも満足できるものとなっている。

 

新型車のトピックの一つとして挙げられるのは、200tに搭載される2・0ℓ直列4気筒の直噴ターボをラインナップに加えたこと。2・0ℓターボは先代の2・7ℓ直列4気筒エンジンに代わるもので、最高出力は従来の188PSから238PSにアップされている。走り出しこそゆったりとした印象を受けるが、中高速域においては約2・2㌧あるボディを難なく運び、力強い加速を見せつける。

ハイブリッドの450hは、3・5ℓV6エンジン+モーターというパワーユニットこそ先代と変わらないものの、燃料の噴射システムが筒内直噴と吸気ポート噴射を併用する「D-4S」にバージョンアップされ、エンジンの中身がブラッシュアップされている。ベースとなるエンジンが3・5ℓV6なので、大柄なボディにも負けないパワーがもたらす上質で優雅な乗り心地を味わうことができる。

その一方で、走行モードを「スポーツ」や「スポーツ+」にすることで、スポーティな走りにも対応。なかでも、RX450hの“F SPORT”の「スポーツS+」を選ぶと、パワーユニットとハンドリングがスポーティな味付けとなり、電動による瞬時のレスポンスでロールを抑制するアクティブスタビライザーの制御が加わり、フラットな車両姿勢を維持し、クルマとの一体感を高める。室内に心地よいエンジンを響かせるサウンドジェネレーターも、ドライブ時の気分を高揚させる演出だ。

ガソリン、ハイブリッド両グレードに共通する乗り味は、欧州車のような硬質的なものでもなく、ふわふわとしたソフトなものでもなく、雑味のないすっきりとした印象だ。安定感と剛性感が高く、ステアリングの応答性の非常に素直な点も特徴的だ。制振効果の高い吸音材などを採用することで不快な振動を遮断するなど、室内の静粛性はRXの特筆すべき点の一つで、SUVというワードから想起される武骨感は皆無。上級セダンライクな走りを求めるユーザーにもおすすめだ。

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