トヨタ最小ミニバン「試乗記」

試乗レポート

12年ぶりにフルモデルチェンジしたシエンタ。2003年にデビューし、2010年に生産中止されるもユーザーからの要望もあり、1年足らずで生産再開された根強い人気を持つコンパクトミニバンだ。

ボディサイズは全長4235㎜×全幅1695㎜×全高1675㎜。先代と比較すると全長は115㎜拡大され、わずかに大きくなった。これにより居住スペースが広がり、よりミニバンとしての使い勝手や居心地の良さが向上しており、ファミリーコースに最適なものとなっている。なお、3列目シートは先代のシエンタと同様にタンブルシート機能を採用。格納はロックを解除して前方に押し込むだけなので女性でも楽にこなせるだろう。また、従来の3列目シートは薄くて補助的なものでしかなかったが、新しいシエンタのそれは、大人が座っても十分なスペースを確保しながら、デッキサイドにはドリンクホルダーや、収納ポケットも設置され、快適性が高められている。

しかし、最も座り心地のいい特等席は2列目シートだ。後ろに人が居なければ最大105㎜のシートスライドと最大36°のリクライニングで有り余るスペースを堪能でき、伸び伸びとくつろげる。

コックピットも先代から大きく変わっている。センターメーターを採用していたが、新型は通常位置に変更。メーター中央には4・2インチのカラー液晶画面が備えられ、1年前までの燃費を記録する燃費履歴やエネルギーモニター(ハイブリッドのみ)などの細かい情報を伝えてくれるのでクルマにあまり詳しくない人やシニア層でも一目でわかりやすい。また、手の届く範囲で至る所に収納スペースがあり、小物や雑誌、ドリンクなど全て収納できるのも実用的で、日常の使い勝手がよく考慮されたデザインだ。

パワーユニットは1・5ℓエンジンを搭載したガソリンモデルと、これにモーターを加えたハイブリッドモデルの2種類で、JC08モード燃費は20・2㎞/?(ガソリンモデル)と27・2㎞/ℓ。ガソリンモデルと比べて、出だしのスムーズさや車内の静粛性はもちろんハイブリッドモデルの方が優れているが、どちらも乗り心地はソフトで快適。最小回転半径5・2mと取り回しも良く、細いAピラーに角度をつけることで良好な視界を確保していて、運転もしやすい。決してパワフルではないけれど、挙動がマイルドでファミリーやシニア層に優しい乗り味だ。

スポーティな外観からは若者やヤングファミリー向けというイメージだが、中身は実用的なコンパクトミニバンとして正常進化した新型シエンタ。ダウンサイジングを求めるシニア層にもおすすめの高実力モデルだ。

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