乗り心地とハンドリングのバランスが高水準「プジョー・308/308SW」

試乗レポート

6年振りにフルモデルチェンジされたプジョー「308」。以前はモデルチェンジのたびに車名の末尾数字が1つずつ増えていたが、今後のモデルチェンジではモデル名が継続して使われる。2代目となった308は、日本に先駆けて投入された欧州で「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、既に高い評価が与えられている。日本市場に導入される308は3タイプでエントリーモデルから、プレミアム、アリュール、シエロ。ステーションワゴンの308SWは、プレミアム、シエロの2グレードが設定された。

新型308は徹底的な“効率化”を目指して開発された。その一つとして挙げられるのは、新開発プラットホームの「EMP2」の採用。高張力鋼板やアルミ、複合素材を使用することで、従来に比べ70㎏の軽量化を達成。ボディと合わせ、先代モデルに比べて100㎏の軽量化を実現し、効率化の基礎を作った。新プラットホームにより、先代モデルと比べ、全長を55㎜、全高を45㎜、全幅を15㎜短縮しながら、ホイールベース10㎜延長。十分な室内空間を確保するとともに、トランク容量も従来比+20%拡大し、使い勝手も向上している(ハッチバック)。

308SWは全高と全幅を先代より短縮させ、全長を70㎜、ホイールベースを20㎜延長。ラゲッジのレバーで後席が倒れる「マジックフラット」を装備し、後席を倒せば最大1775ℓの広大なスペースが出現し、クラストップレベルの容量と利便性を実現した。

コックピットに座ると、必要最低限のスイッチを配置したインパネ周りと、小径ステアリングにまず驚かされた。これは、直感的かつ感覚的なドライビングエクスペリエンスを生み出すために採用された、「i‐コックピット」に起因している。208シリーズに続いて採用された小径ステアリングは、レーシングカーを思わせるスタイルもさることながら、ステアリングホイールに遮られることなくスピードメーター等を視認できるので、必要な情報がダイレクトに伝わってくる。また、タコメーターは、低回転域の視認性を高めるために反時計回わりとなっており、個性を与えるとともに、遊び心を感じるデザインとしている。

インパネの中央に配置されたタッチスクリーンでは、オーディオをはじめ、エアコンやオンボードコンピューター等の一連の動作をスマートフォンのように操作することができる。ブラックを基調とした室内は、過剰に飾りたてることはないが、随所に採り入れられたクロームのアクセントトリムが、クラスを超えた高級感を演出している。

先代モデルでは直列4気筒1・6ℓターボエンジンを搭載していたが、新型308は、3気筒1・2ℓエンジンにプジョーとして初めてターボを搭載。走りだしから軽やかで、アクセルを踏み込めばしっかりと前に押し出される。最高出力130PS、最大トルク230Nmという数字以上の性能を感じる。アイシンAW製の第3世代6速AT「EAT6」は滑らかにシフトし、上級モデルと同等の変速フィールとダイレクト感をもたらすとともに、プジョー伝統のしなやかなフットワークと走る楽しさを味わうことができる。

308にはドライバースポーツパックが全車標準装備され、モードを切り替えるとメーター盤面の意匠が白から赤に変化。さらに、アクセルとシフトレスポンスが向上し、ステアリングのフィールもよりシャープに変化するようになっているだけでなく、スピーカーからエンジン音を増幅して送り出す機能もついており、スポーティな走りを五感で体感できた。

安全装備面では、フロントバンパーに内蔵されたミリ波レーダーによって先行車を探知する。アクティブクルーズコントロールと、衝突回避のため最大約20㎞/h程度の減速を行なうエマージェンシーブレーキサポートはプジョーとして初搭載。上級モデルのシエロには、ブラインドスポットモニターを装備し、ドライバーの安全走行に貢献する。

乗り心地やハンドリングのバランスが実に高いレベルでまとめられていた新型308は、従来からの高い走行性能に加え、ベーシックコンパクトというイメージを刷新。クラスを超えた高級感をもつプレミアムコンパクトとして、これまでにない大きな進化をとげたといえよう。

おすすめ記事

Tagged