家族で行こう! きままにクルマ旅(2014年10月 紙面掲載)
MINI 3ドアモデルで巡る 富士山北側ドライブルート

レジャー ドライブ

文・写真:吉田直志(automobile columnist)

このコーナーでも幾度となく取り上げている富士山だが、今回は、富士山の北側巡るドライブルートを紹介しよう。といっても、ただ巡るのではなく、テーマは道の駅巡り。実は、富士山には東、北、西側に道の駅が五つある。それぞれに個性があり、それぞれに違う富士山を望むことができる。そんなドライブに連れ出したのは、3世代目へとスイッチしたばかりのMINI。5ドアモデルが追加されたばかりだが、今回は3ドア、かつ、ボトムグレードの「ONE」を選んだ。

今回、紹介する道の駅は全部で5カ所ある。まずは、東名高速道路の御殿場ICから山中湖へと抜ける国道138号線を北上し、東富士五湖有料道路の入り口近くにある「道の駅すばしり」を訪れた。ここは、5カ所の中では最も新しい道の駅で、1階の土産物屋、2階の食堂ともに、まさにイマドキの雰囲気があふれている。ちなみに2階にあるテラスからはダイナミックな富士山を眺めることができる。

今回のドライブの相棒に選んだ、MINIは今年の初めに3代目にスイッチしたが、さらにこのONEは秋に追加されたばかりのモデルだ。そのエンジンを1.6L NAから1.2Lターボへとダウンサイジングしたことになっているが、そのフィーリングは以前のONEよりもパワフルに感じるほど。上り調子の東名高速道路と富士山麓の道をグイグイと上ってしまう。それでいながら低燃費だというからオドロキだ。

朝霧高原付近から見た富士山。時間、場所、季節によって、富士山は異なる姿を見せてくれる

次に目指した、「道の駅 富士吉田」へは、峠を越えて向かうのだが、パワーについては不足を全くと言っていいほど感じず、むしろ、つづら折りの坂道を楽しみたくなる、そんなフィーリングに満ちあふれていた。

「道の駅 富士吉田」は、土産物屋や食事どころが充実しているだけではなく、富士山頂にて35年も活躍していた観測レーダードームを建物に利用した「富士山レーダードーム館」、地ビールレストラン「ふじやまビール」など、楽しめる施設があることもポイント。次に訪れたのは河口湖畔にある「道の駅 かつやま」は、展望台から河口湖が望めるほか、目の前にある小海公園でのんびりとした時を過ごすこともできる。もちろん、道の駅だけを巡るのではなく、富士五湖を組み合わせるとドライブはさらに楽しくなる。富士山を眺めながら湖も含めた広々とした景色を楽しめる山中湖、さまざまな景色がある河口湖、湖面から高い位置にある湖畔道路を走る西湖、こぢんまりとしながらも風景に富んでいる精進湖、水深が最も深いことから神妙な雰囲気のある本栖湖など、それぞれに異なる魅力がある。

「道の駅 なるさわ」からも富士山を望むことができる。「鉱石ミュージアム なるさわ富士山博物館」も併設

ドライブは西湖を巡った後、少々、戻るようなルートで「道の駅なるさわ」を訪れた。ここは、ダイナミックな富士山を眺められること、新鮮かつリーズナブルな農産物が販売されていることから、人気スポットとなっている道の駅だ。

お茶、製菓、お酒、乳製品といった食を取り扱う企業が集まったテーマパーク「あさぎりフードパーク」

最後に訪れたのは、朝霧高原にある「道の駅 朝霧高原」。裾野まで富士山がはっきりと見えるスポットとして有名な道の駅だが、近所には牧場なども多くあり、この周辺だけでも1日を過ごすことができる。また、隣には食に携わる6社が集まり、食をテーマとした食の団地工房「あさぎりフードパーク」があり、見学や体験もできる。

「道の駅 朝霧高原」では、農産物だけではなく牛乳やチーズといった乳製品も手に入る/同駅のコロッケランチ(750円)。朝霧高原で収穫されたじゃがいもと朝霧牛から作られたコロッケはなんとわらじサイズ

ご存知のように富士山周辺にはさまざまなスポットがあるが、こうしてグルッと周りながら、変わりゆく富士山の表情を見るドライブもまた楽しいものだ。もちろん、山梨へと抜けるとか、帰りは富士宮へと出て、B級グルメの富士宮焼きそばを味わうなんてルートも組み合わせられる。

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ドライブデータ

試乗車=MINI ONE
パワーユニット=
エンジン排気量1198cc(ターボ)、6速AT、FF
乗車定員=4名
全行程走行距離=約350km

立ち寄りスポット[マップコード]

道の駅 なるさわ[689 488 853*08]
あさぎりフードパーク[312 296 067*42]
道の駅 朝霧高原[312 296 248*88]

※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。

プロフィール
吉田直志/automobile columnist

四輪駆動車専門誌、デジタルカルチャー誌の編集部を経て、フリーライターに。現在は新型モデルの評価を軸に、自動車雑誌のほか、ファッション誌にも寄稿。

(本稿は2014年10月に新聞「週刊Car&レジャー」に掲載)

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